【Clair Obscur: Expedition 33】岩波の崖の祭壇やACT1クライマックスをじっくり見ていく(NG+プレイ記録4)
『Clair Obscur: Expedition 33(クレール・オブスキュール:エクスペディション33)』のニューゲーム+プレイ記録。
初見では気づかなかったあれこれを書いているので、ひと通りクリアしてストーリーを再確認したい方や、NG+プレイ中の独り言を読みたい方におすすめです。
今回の内容は岩波の崖~ACT1終わりまで。
ストーリー全域のネタバレあり。
第56遠征隊がアリシアを捕まえた?
岩波の崖で拾えるジャーナル56には、見た目は人間そっくりの白髪のクソッタレを捕まえたことが書かれている。
白髪はルノワールかアリシアのどちらかだが、「そいつは話そうとしない」の記述と捕まりそうな点からアリシアの可能性が高い。
というか、英語では「She」と表現されていたので、ほぼ間違いなくアリシアだろう。
ゲーム内でアリシアが捕まった話は出てきていない(と思う)ので、アリシアがどういう経緯で第56遠征隊に捕まり、どういう流れで助かったのか気になる!
画家と作家の争いの行方はもちろん気になるものの、DLCは過去の遠征隊のエピソードがいいなと思う自分がいる。
ペイントレスの祭壇
岩波の崖にあるペイントレスの祭壇は、誰が作ったのだろうか。
白いネヴロンのエクスギャに、祭壇の制作者がまだ生きているか聞く場面がある。
エクスギャいわく「生きてない」「彼らが来たのは遠い昔」「彼女を崇拝していた」ということだった。
祭壇を作ったのは、岩波の崖にジャーナルがあった第78遠征隊だと考えるのが妥当ではないかと思う。
(なお、エクスギャが指す「彼女」はクレア、一方で遠征隊の崇拝する「彼女」はペイントレスなので、彼らの会話はすれ違っている)
ジャーナル78によれば、第78遠征隊はルミエールの議会に対して批判的だった。
モノリス暦78年というと、抹消への危機感も今ほど高くなかったと考えられ、となるとルミエールの未来のためにどうこうというより、議会への不信感や反抗心で遠征隊に参加した人がほとんどだったかもしれない。
プロローグにペイントレス信者が出てきたが、現在のルミエールに一定数のペイントレス信者がいるのであれば、もっと人口が多かった40年前は信者も相当数いたはず。
第78遠征隊の中に信者がそこそこ混ざっていて、岩波の崖に到着後にペイントレスの祭壇を作ったと想像する。
ルノワールの衣装チェンジ
岩波の崖でランプマスターを倒してカットシーンが流れる。
初見のときは「そんなこと言って、本当は生きてますみたいなやつでしょ?」と、何かの冗談かと思ったギュスターヴの最期。
ギュスターヴのテーマ曲が最高のタイミングで流れる胸熱なシーンは、偽ルノワールのボーダーTシャツとフランスパンによって、記憶とはだいぶ違うコミカルな雰囲気になっていた。
バゲット衣装のせいで雰囲気が崩壊し、情緒が抹消された。
これはパーティメンバー全員をバゲット衣装にしていると、ルノワールもバゲット衣装になるという小ネタ。
全員水着だとルノワールも水着になる、というのも有名(?)。
こういう遊び心のあるところ好き。
本物の両親の会話
偽ルノワールに突き飛ばされたマエル。
どういう仕組みか分からないものの、時間の止まった空間で聞こえてくる男女の会話は、アリーンとルノワールのもの。
この空間に登場するのは、すべて本物のデサンドル家の人間だ。
現実世界の家にいるはずだったアリシアに対して、アリーンは「あなたは関係ないから今すぐ家に帰れ」と言い、ルノワールは「家にいるはずだったのに、出てきちゃったならしょうがない。お母さんをキャンバスから追い出したら一緒に帰ろう」という主旨のことを言う。
やはりアリーンのアリシアへの態度は冷たい。
アリーンはキャンバスで起きているいざこざは夫婦間の問題だと考えているかもしれないが、アリーンがキャンバスに引きこもっていることは家族全員に関わる問題である。
そもそもアリーンがキャンバスから出てこないからルノワールも出てこられなくなり、キャンバスに入る必要のなかったアリシアが手伝いを申し出ることになったのだから、「今すぐ家に帰って」はむしろアリシアからアリーンに言うべき言葉だ。
帰ることを拒絶し、ルノワールのように「一緒に帰ろう」とは決して言わないのが、アリーンのアリシアに対する冷たさ、およびアリーンのキャンバス中毒の深刻さを表しているように感じる。
まあ、初見の時点では会話の主が誰なのか分からなかったし、男性の「愛しい子よ」が本当に父から娘への呼びかけだなんて思っていなかったが。
ちなみに、フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの妻の名前はアリーンだ。
ヴェルソの動機は結局なんなのかと、ふと思った
クライヴ ・ロズフィールドヴェルソ登場。
(このシーンはしゃべり方が本当にFF16のクライヴそっくりで、初見時はそればっかり気になってた。同じ声優さんなのでそっくりなのは当然なんだが)
偽ルノワールはキャンバスに留まりたいアリーンを守り、家族を取り戻すとヴェルソに主張する。
ヴェルソは、偽ルノワールと同じ偽ファミリーに属していながら、ペイントレスを倒すという目的で父親と敵対している。
自分が死んだせい、そして描かれた自分が存在するせいで、現実の家族が崩壊し、それに伴って絵の中の家族もバラバラになっている。
ヴェルソは責任感で現実の家族を救おうとしたのかなと、1周目ではふんわり思っていたけど、そんな崇高な動機ではなかったかもしれないと、最近は思うようになった。
エンディングでマエルが自分の欲求でキャンバスを存続させたように、ヴェルソもただ自分がこれ以上つらい思いをしたくないからという、利己的な感情でキャンバスを消したのだとすれば、マエルエンドの「こんな人生は嫌だ」というヴェルソの嘆きもより納得感があるというか。
手段は違ったが、マエルもヴェルソも家族のためではなく、自分のために行動したのがそれぞれのエンディングだったのかもしれない。
登場直後のヴェルソは嘘だらけ
キャンプに戻った第33遠征隊。
泣いているマエルを抱きしめるエスキエを見て、きっとエスキエは何度も泣いてるヴェルソにハグして寄り添っていたのだろうなと思ったり。
描かれたヴェルソだけではなく、本物のヴェルソに対しても、そうしてきたのだろう。
それはそうと、このころのヴェルソの発言は嘘と隠し事だらけ。
俺たちの中にはどういうわけか老けないやつもいるとか、ルノワールは永遠の命を楽しんでいるとか、ギュスターヴを助けるのが間に合わなくてすまなかったとか…。
エスキエに「あの子たちに内緒にしてるよな?」と確認している件は、たぶんルノワールがヴェルソの父親ということだと思うけど、もはやどの秘密のことか分からないくらいオブラートが分厚くて、今見ると笑ってしまうくらいヴェルソがうさんくさい。
ギュスターヴは感情を率直に表現し、考えていることを素直に話すタイプで、ヴェルソとは正反対だった。
作中でもっとも明暗で対比できそうな、クレールでオブスキュールな組み合わせのギュスターヴとヴェルソが、言葉を交わす機会すらなかったのは最大の謎である。
同時に、妹のために命を落としたという共通点を持つふたりが出会っていたら、どんなやりとりになったのだろうと思うと非常に惜しい。
ACT1のバゲットルノワール動画
続き

忘れ去られた戦場で描かれるキャラクターたちの心理(NG+プレイ記録5)|エクスペディション33
『クレール・オブスキュール:エクスペディション33』NG+感想・考察
- ニューゲーム+でプロローグをじっくり見ていく
- 白いネヴロンの正体とジェストラルが戦い好きな理由
- マエルの悪夢と序盤キャンプイベントのニッチな深堀り
- 岩波の崖の祭壇やACT1クライマックスをじっくり見ていく
- 忘れ去られた戦場で描かれるキャラクターたちの心理