【Clair Obscur: Expedition 33】モノリスのルノワール戦とペイントレス戦を振り返る(NG+プレイ記録8)
『Clair Obscur: Expedition 33(クレール・オブスキュール:エクスペディション33)』のニューゲーム+プレイ記録。
初見では気づかなかったあれこれを書いているので、ひと通りクリアしてストーリーを再確認したい方や、NG+プレイ中の独り言を読みたい方におすすめです。
今回の内容はモノリス~ACT2の終わりまで。
ストーリー全域のネタバレあり。
過去にモノリスに入った遠征隊
モノリスの結界を破り、ペイントレスの前に現れたアリーンを追って第33遠征隊はモノリス内部に入る。
モノリス内部には00、60、70の旗があり、過去にもモノリスの中に入った遠征隊がいることが示唆されている。
第0遠征隊については、ヴェルソがモノリスに入ったことがあるのかどうかは定かではないものの、少なくともシモンは旧ルミエールのアクソンを倒して結界を破り、アリーンと会っているので、00の旗は理解できる。
第60遠征隊は、ジャーナル60に書かれているとおり、鍛え抜いた筋肉で結界を通り抜け、アリーンと会っている。
結界の突破に失敗した遠征隊もいる中で、高密度クロマ武器に匹敵する筋肉とは一体なんやねんと理解に苦しむ話ではあるが、60の旗の存在は理解できる。
疑問なのは第70遠征隊だ。
グラップルの設置で遠征隊の歴史に貢献してきた彼らは、どうやってモノリスに入ったのだろうか。
可能性のひとつは、シモンが結界を破ったあとしばらくは結界がゆるかった、というもの。
別の可能性は、ジャーナル70のそばに場違いなグランディスの遺体があることから、第70遠征隊はグランディスの協力を得て、記録に残されていない方法で入った、というものだ。
当時の隊員は、余命1年の者がほとんどおらず、数十年単位で活動できた者がいたと考えれば、ありえない話ではない。
謎の残る第70遠征隊だが、第60遠征隊に負けないくらい優秀な遠征隊と言えるだろう。
いずれにせよ、ヴェルソはすべての遠征隊に会っているわけではないので、ヴェルソが知らないあいだに結界を抜け、モノリスの中に入った遠征隊が実際には存在するのだ。
ルノワール、最後の抵抗
モノリスの奥で、ルノワールが現れる。
ペイントレスを倒すことは、本物のルノワールがキャンバスを消すことにつながり、偽のデサンドル家が消滅することを意味する。
ヴェルソが「俺は疲れた」と正直に伝えても、ルノワールは家族の命が最優先。
「お前を救うことが失うことを意味するのなら、それでいい」という言葉は、たとえヴェルソと決別することになっても、ヴェルソが生きるならそれでいいという、ルノワールの強い決意だろう。
戦闘中のルノワールのセリフも、ヴェルソを思いとどまらせるための言葉ばかりだ。
家族を失いたくない、アリーンを助けたい、これこそがルノワールという人なのだ。
絵の中のルノワールも、本物のルノワールも、強い家族愛はまったくぶれることがない。
キュレーターのルノワール抹消
ルノワールと戦闘後、本物のルノワールであるキュレーターが現れ、偽ルノワールと対面。
1周目では何を言っているのか分からなかった会話も、2周目なら分かる。
「お前の息子の形見はもうこれしかない」「破壊してもお前の妻は戻らない」という偽ルノワールの言葉は、ルノワールにとって無意味だ。
ヴェルソは死んだ。これ以上家族を失うわけにはいかないから、なんとしてでもアリーンをキャンバスから出す。
そのためにルノワールは力を尽くす。
キュレーターがマエルの手を取り、ルノワールの心臓に手を置くと、不死身だった偽ルノワールは抹消された。
本物のルノワールは、アリーンの創造物を抹消できる。
だから、偽ルノワールも抹消できたのだろう。
マエルの力を借りたのは、力が足りなくなっていたからなのか? ひとりでできるなら、とっくに実行していそうだし。
「息子の形見がどうこうってどういうこと?」とたずねるシエルに、ヴェルソは「わからない」と嘘をつく。
ペイントレスを目前に真実を話したくないというのはありそうだが、このときばかりは、父親を目の前で失って幾分か動揺している面もあったのかもしれない。
なぜペイントレスと戦いになるのか
キャンバス内の人間はアリーンの創造物なので、本来であればアリーンが遠征隊と戦う理由はない。
シモンや第60遠征隊は、アリーンと戦闘することなく会話し、本当の敵はルノワールと認識を改めているのがその証拠だ。
しかし、第33遠征隊にはヴェルソがおり、アリーンをキャンバスから追い出す明確な目的があるため、アリーンは抵抗する。
モノリスの頂きで、アリーンと対面する第33遠征隊。
アリーンがヴェルソに「あなたは彼の創ったもの」と言ったときは、ちょっと混乱したが。
これは、アリーンがヴェルソに「一緒に家に帰ろう」と言ったあと、ヴェルソが「帰るのはお前だけやで」と返したことが影響している。
わたしのヴェルソがそんなこと言うはずがない、こいつはルノワールが創った偽物、このキャンバスは奪わせない!
この流れでペイントレスと戦うことになる。
アリーンの言葉
戦闘中、アリーンのセリフは9種類あった。
誰向けの言葉なのか明記がないため、1周目ではわけが分からなかったが、今見ると本物の家族に対してのセリフであることが分かる。
主にルノワール、アリシア、モノコに対しての恨みつらみだが、特に興味深いのはアリシア向けと思われるセリフ。
「自分が何をやったか分かっている? あの子を殺したのよ!」
「バカな子! あなたがわたしを拒絶したせいで、あの子は死んだ!」
キャンバスに長居して精神に悪影響が出ている状態とはいえ、アリーンはヴェルソの死がアリシアのせいだと考えている。
モノリスに入るとき、アリーンがマエルたちの顔を焼こうとしたのは、そういった気持ちの表れだったのかもしれない。
アリーンの姿も、角度によっては顔が燃えているように見えるデザインだ。
アリーンにとって炎はヴェルソを奪った象徴で、息子を失った痛みと悲しみ、そして怒りを反映するものなのかなと思った。
第33遠征隊、目的を果たす
戦闘後、ヴェルソとマエルの手でアリーンは現実世界に送り返される。
このカットシーンで、ヴェルソがアリーンとあまり目を合わせなかったのが印象に残る。
ヴェルソにとってアリーンは、家族である一方で苦しみの原因でもある。
また、アリーンがいなくなったらキャンバスの人間に何が起きるか、ヴェルソは知っている。
アリーンを消すことは、ヴェルソの目的を果たすと同時に、家族を失うことへの抵抗感や悲しみ、仲間を犠牲にする罪悪感など、向き合いたくない現実をヴェルソに突きつけることになる。
ヴェルソの定まらない視線は、ヴェルソの複雑な心境を暗示しているように感じた。
形の上では、ヴェルソはアリーンをキャンバスから出すことに成功し、ルネとシエルはペイントレスを倒すことに成功した。
第33遠征隊は遠征を成功させたのだ。
このシーンはエンディングのような演出で、「え?」「終わりっぽいけど、まだ終わりなわけないよね?」と大いに戸惑ったのをよく覚えている。
続き

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