【ハウス・オブ・ザ・ドラゴン】第6話「王女と王妃」感想。産褥は戦場

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『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の第6話「王女と王妃」を見た感想です。

ネタバレあります。

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第6話のざっくりあらすじ

前回から約10年後のスタート。

  • レイニラは3人目の男児を産む。父親がレーナーではなくハーウィンなのは周知の事実だが、ヴィセーリスがレイニラの反逆行為を認めないことにアリセントは苛立つ
  • デイモンはレーナと結婚し、ペントスに滞在していた。レーナは3人目の子の出産を迎えたが、子と自分の命が助からないことを知り自らドラゴンに焼かれる
  • 王の手ライオネルは息子ハーウィンをハレンホールに連れていくが、ラリス公の手先が城に火をつけライオネルとハーウェインは焼け死ぬ
  • レイニラは家族を連れてドラゴンストーンへ移る
  • ヴィセーリスは死にそう

レイニラとアリセント

前作から10年の時が経ち、レイニラとアリセントは3児の母になっていた。

アリセントは貫禄を増し、ヴィセーリスにハッキリ物を言い、レイニラへの敵対心をあらわにし、常に苛立っている。

レイニラは落ち着きを増し、小評議会では政治的手腕の高さを感じさせるが、子の出自への疑惑から立場が弱い。

レーナーはよき夫を演じているかと思えば、基本的には家庭にあまり関わらず戦に心踊らせ愛人と好き勝手に過ごしている。

デイモンはレーナと子供をもうけペントスで暮らしている。

まあ、あれやこれやの変化の中で何よりも驚いたのはヴィセーリスがまだ生きているということだけれど。

レイニラを守っているのは、ヴィセーリス。

レイニラの子供の父親は夫レーナーではなくハーウィンで、その事実をヴィセーリスが認めることはレイニラたちの死刑宣告にも等しい。

(レイニラとレーナーの協定には2人で子を作ることも含まれているものだと思っていたけど、世継ぎ作りすら外部委託だったのか…)

継承権を自分の息子に与えたいアリセントは、何としてもヴィセーリスにレイニラの不都合な真実を認めさせたい。

ヴィセーリスが孫たちの剣の稽古を見ている前で、クリストンがハーウェインをけしかけたのも、そういう意図があったのではないかと。

ところで、クリストンが10年前の恋人レイニラをspoiled cunt(字幕はアバズレ)とNGワードでこき下ろしていたのは笑った。


それにしても、レイニラとアリセントの険悪さが冒頭のシーンでこれでもかと示されていた。

出産直後のレイニラに赤ん坊の顔見せろやと呼び出すアリセントよ。アリセントだって産後のつらさを知っているはずなのに。

対して、つらくてもなんでも意地でも嫌がらせに屈しないレイニラ。出産したばかりの人間が立ち上がって歩いて階段上って立ち話って…。

そして、そのあたりの事情をまるで感知していないヴィセーリス。

よいオープニングだった。

本性を垣間見せたラリス公

謎の多かったラリス公は、今も謎が多いけど、とりあえずやべーやつだった。

王の手ライオネルが息子ハーウィンの不名誉から王の手を辞めたいと申し出たものの、息子の罪を告白できずヴィセーリスに却下され、じゃあ息子をハレンホールに帰すための暇を下さいとハーウィンとハレンホールに戻ったが、ラリスに派遣されたやべーやつらが城に火をつけてライオネルとハーウィンは消されましたと。

ラリスが動いたのは、味方がほしいというアリセントの願いを受けてのこと。

王の手に空席ができてオットーパパの復帰につながるのだろうか。

でもこの件で一番恩恵を得るのはラリス本人では?

王妃に恩を売れた上に、ストロング家の当主になれるわけだし。

ためらいなく父と兄を消したラリスにとって、家族や愛は目的達成の足かせらしい。

「最後には名誉と慎みが勝つ」と信じるアリセントのそばにいるのが、名誉を失ったクリストンと手段を選ばないラリス公というのは皮肉。

出産で散るレーナ

今回もっとも印象的だったのはレーナだった。

ドラゴンを持つデイモンとレーナは、ペントスで特別待遇を受けて暮らしている。

デイモンは政治上の駆け引きや継承権の問題とは無縁の生活になったと言うが、本心ではドラゴンや故郷への未練が消えていないとレーナは気づいている。

デイモンとレーナ一家は、ターガリエンとヴェラリオンという一流の血筋を持つ家族。

あのデイモンがヴィセーリスやレイニラより政治的観点ではまともな結婚生活をしている、というのが意外すぎたが、悲劇は3人目の子供の出産で訪れる。

運命のいたずらなのか、親戚どうしの結婚がそういうものなのか、デイモンも兄と同じように妻を出産で失うことになった。

妻の死はヴィセーリスに、娘を後継者にするという歴史的な決断をさせた。

今回の妻の死は、デイモンの運命にどんな影響を与えるのだろう。


レーナは自分の命もお腹の子の命も助からないと知って、ドラゴンに焼かれることを選んだ。

レーナのドラゴン、ヴァーガーは、かつて12歳のレーナがヴィセーリスに話していた行方不明のドラゴンではなかったか。

ナローシーのどこかにいるのでは、と言われていたドラゴンを、レーナは15歳のときに見つけたということなのかな。

ヴァーガーはレーナのドラカリスにためらいを見せた。

騎竜者の言うことは聞くはずのドラゴンが、レーナを焼くことに躊躇していたのは絆? 主従関係?

人間とドラゴンの関係ってどうなっているのだろうとちょっと気になった。

あとレーナの娘レイナが、自分のドラゴンの卵が8年経っても孵らないことを嘆いていて、そういえばアリセントの次男エイモンドも自分のドラゴンがいないことに劣等感を抱いていたよなーと。

このドラゴンカーストには興味深いものがある。

なんにせよ、ドラゴンを持てず元気がない娘に騎竜者の権利はつかむものだと語り聞かせるレーナは、今まで登場したどの母親よりも前向きな言葉を我が子にかけていて、惜しい人が亡くなったなと思った。

続き:第7話「ドリフトマーク」感想。ドラゴンの代償



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