【ハウス・オブ・ザ・ドラゴン】第9話「翠の評議会」感想。ハイタワー劇場

ハウスオブザドラゴン シーズン1 感想 アイキャッチ

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の第9話「翠の評議会」を見た感想です。

ネタバレあります。

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第9話のざっくりあらすじ

ヴィセーリス崩御からエイゴンを王にするまでのハイタワー親子が中心の回。

  • ヴィセーリスが亡くなった知らせを受け、アリセントは小評議会にエイゴンを王にするという王の遺言を伝えるが、レイニラの処遇でアリセントとオットーは衝突する。
  • アリセントとオットーはそれぞれ人を派遣し、行方をくらませたエイゴンを探す。
  • 王になりたくないエイゴンだったが、戴冠式で民の歓迎を受け表情を変える。
  • アリセントに協力を求められたレイニスは、戴冠式中にドラゴンを見つけて王都を去る。

アリセントとオットーの対立

エイゴンを王にするという、共通の目的を持つアリセントとオットーの対立が見られる回だった。

衝突の理由はレイニラをどうするかで意見が合わないから。

後継者候補を野放しにしたら対抗勢力となり王土に危険が及ぶ、とレイニラとその家族を消したいオットー。

対してアリセントは、レイニラに危害を加えることを許さない。

ヴィセーリスは娘を殺すことを望んでいないから、友人をひどい目に遭わせたくないから、王妃である自分に内密でエイゴンを王にしレイニラを排除する計画が立てられていたから、その理由は何であれ、アリセントとオットーが一枚岩ではないことが明らかになった。

残虐なことをせず高潔でありたいアリセントと、王土を守るための小さな犠牲は厭わないオットーは、レイニラが生きている限り衝突し続ける気がする。

そこに足フェチ公ラリスが絡んで一悶着ありそう。次シーズンかもしれないけど。

最初にラリスのけしからんシーンを見たときは「アリちゃん、そのやべーやつの前でそんな無防備にしてちゃアカン!」って思ったけど、アリセントの足の置き方やラリスの視線が露骨すぎるので、もしかして王妃公認?

まあ、王妃の私室に出入りするのを許されているくらいだし。

だとしたらこの2人はなかなか踏み込んだ取り決めをしたんだなと。

アリセントの意志は

アリセントがレイニスに「あなたが戴冠すべきだった」と言ったのは、かなり大きな意味を持つように思う。

単にヴィセーリスには王の資質がなかった、というだけではない。

次の王にふさわしいのは、自分の息子のエイゴンよりレイニラだと、アリセントが心の底では考えていることを暗に示している(そりゃそうだろという話ではあるけど)。

それでもアリセントはエイゴンを王にするために全力を尽くす。

なぜならそれがヴィセーリスの最期の言葉だから。

ヴィセーリスが常にレイニラを後継者とし、エイゴンには見向きもしなかったことをアリセントは誰よりもよく知っている。

「エイゴンを王に」というヴィセーリスの言葉に戸惑ったはず。

しかし、昔からアリセントは父や王に言われた仕事を的確にこなしてきた。

だから王の資質のある人物をエイゴンのそばに置いて、エイゴンをよき王に導こうとアリセントは必死なのだろう。

(ここで実績のあるオットーではなくレイニスに協力を求めたという点が、アリセントの目指すものが父と異なることを表している)


ヴィセーリスの遺体の前で涙するアリセントを見て、以前オットーが王の手を除名されて王都を去ったときに泣いていたアリセントを思い出した。

自分が尽くしてきた相手がいなくなり、重責だけ残されて悲しみと孤独が混じったような姿。

でもオットーが一時的に離れたあと、アリセントは王妃としての務めを立派に果たしてきた。

今回もアリセントは夫の遺志を受け継ぎ、王になる息子をしっかり支えるのだろう。自らの自由に蓋をして。

エイゴンの戴冠式

父に期待されず、愛されもしなかったエイゴンは、誰もがうらやむ玉座から逃げていた。

しかし戴冠式で、王を称える民衆の声を聞くうちにエイゴンは高揚する。

家族には愛されない自分を、民はこんなに愛してくれていると、錯覚したのかもしれない。

民衆はエイゴンがどんな人物かを知らないので、ただただ新しい男性の王というだけで歓迎しているにすぎない。

エイゴンに近い者ほど、エイゴンが王の器ではないと分かっているが、民はそんなこと知らない。

新しい王が玉座に興味なく妻を放置して侍女を犯して街で遊んでばかりで落とし子をそこらじゅうに作っている(らしい)と、われわれ視聴者と違って民は知るよしもない。

どんな王政になるのか。

エイモンドは自分のほうが王の素質があると自覚していて兄と不穏な空気だし、ヘレイナはなぜか戴冠後のエイゴンから目を逸らしているし、レイニラが黙っているとは思えないし、不吉な予感しかない。


ところでレイニスは戴冠式の最中に新王に頭を垂れるどころかドラゴンで王を威嚇したわけだけど、反逆罪にされたりしないか心配です。

レイニスは王女や王妃と対等に話しているかと思えば庶民にまぎれて戴冠式を見上げていたり(きっとヴィセーリスの戴冠式では親族として壇上にいたのだろう)、ドラゴンに乗って王一族を見下ろしたり、視覚的にも立場のつかめないところがおもしろいなと思った。

雑感

  • クリストンは衝動的に人を殺しすぎ感。
  • そっかアリセントにもう孫がいるのか…とヘレイナの子供たちを見て遠い目になった。
  • 白蛆の望みって、本当に蚤のたまり場の子供たちの決闘をやめさせたいだけなの?

続き:第10話「黒装の女王」感想。取り返しのつかないこと


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