【デス・ストランディング2】長距離移動も雪山もしんどいけど、最後までやってよかった
『デス・ストランディング2 オン・ザ・ビーチ』をクリアした。
プレイ時間は67時間。
正直「めんどくさい」と感じる場面はありつつも、最後は圧倒的な演出と共に伏線がきれいに回収され、終わったときは満足感に満たされるゲームだった。
以下は、前作はプレイしたものの内容はさっぱり覚えていない者の感想。ネタバレはまあまあある。
前作の記憶がなくても楽しめた
前作『DEATH STRANDING』は発売当初に遊んだが、特にやりこむことなくクリアしただけなので、キャラクターの顔と名前は分かるけど、ストーリーの大部分は記憶になかった。
いちおう前作の感想記事があったので読み返してみたら、「マッツ・ミケルセンにカメラ目線で誕生日を祝ってもらえてサイコー!」みたいなことしか書いてなくて役に立たない。
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前作の復習はゲームのスタート画面からできるが、それを見てもアメリが何者で、サムがどうしたのかとか、細かい部分はさっぱり思い出せず(忘れすぎ)。
まあいいやとニューゲームをスタート。
とりあえず、グラフィックがすごすぎて山で迷いまくった。
本作はサムとルーの関係に焦点が当てられているため、前作の記憶が薄くてもあまり問題なく楽しめると感じた。
ヒッグスがなぜ執拗にサムとフラジャイルを追うのか、そのくらいは覚えておいたほうがいいのかもしれないけど…私は覚えていない。
終盤にストーリーはしっかりと盛り上がり、作中の疑問は解決するので、エンディングまで行けば満足できる構成になっている。
前作の情報を含む詳細は、コーパスでいつでも確認できるのがありがたかった。
戦闘はスナイパープレイや空手が登場するなど、できることが増えた上に組み合わせも自在で、戦術の幅が広がった。
まあ、私はグレネードを投げたら敵に近すぎてサムごと吹っ飛ぶ戦闘テキトー民なので、進化した戦闘をまったく活用できていないのだけど、難易度カジュアルなら拳や拾った武器でもどうにかなる。
ひとりじゃない旅
今回よかったのは、フラジャイルをはじめとする跳ね橋部隊のメンバーがサムと行動を共にすること。
DHVマゼランという帰る場所があり、常に誰かがいる環境が安心感を与えてくれる。
また、ドールマンがサムに同行するので、移動中も寂しさがない。
ドールマン、たまにメタ発言するので笑う。
最終決戦にみんなで一緒に行けたのも熱い。
オーストラリア大陸の旅では深い孤独感を抱いていたサムだが、支えてくれる仲間はかつてないほどそばにいたのだ。
跳ね橋部隊のメンバーそれぞれの過去が描かれるのはよかった一方で、配送や戦闘といった大変な実務はサムに全振りのため、各メンバーの目立った活躍はなかった印象。
エル・ファニング演じるトゥモロウは別だが。
個人的な話をすると、私は10年くらい前に映画『マレフィセント』のジャパンプレミア試写会で、アンジェリーナ・ジョリーと一緒に舞台挨拶していたエル・ファニングを客席から見たことがある。
身長175cmのスラリとしたスタイルに、きれいなブロンドヘア、そしてチャーミングな笑顔がステキだった。
演出最高
小島秀夫監督の作品はデスストしかプレイしたことがないが、演出は遊び心があったり、想像の斜め上をいったりするものが多くて楽しい。
ゲーム開始早々、フラジャイルの依頼を受けないと永遠にループしかける演出には笑った。
新要素である大型BTの捕獲も、ポケモンと怪獣映画が組み合わさったようでおもしろい。
大型BTとの戦闘は嫌いだったけど、捕まえたBTが召喚できるようになってからは少しだけ好きになった。
フラジャイル、レイニー、トゥモロウ撮り放題イベントが楽しすぎて、何度も何度も撮り直していた。
誰かが目をつむっていると、ドールマンが「撮りなおしてやろう」と強制的にやり直しになるのも笑う。
撮り直しすぎてどう見ても21分以上経過したが、ハートマンは動いていた。
ここで撮った写真、きっとどこかで使われるんだろうなと思っていたら、いいところでさらっと出てきて感激した。
最終決戦もトンデモ演出がてんこ盛りで見応えがあった。
大型BTが合体し、そこにさらにDHVマゼランが合体する…その発想はなかった。
最後のヒッグスも、まさかのギターバトル(物理)。
楽器経験者としては楽器で殴り合う行為には悲鳴を上げたが、音楽を通じて他者とつながる道具である楽器を、ヒッグスが暴力による支配のために使っているのは興味深い。
暴力による支配を止める手段が武器しかないのは、人類の課題。
配達はめんどくさいことも多かったが
正直なところ、ストーリーを進めているあいだはそこまで楽しくなかった。
BTめんどい、武装集団うざい、地震いやだ、火災やめて、時雨で車両がボロボロ、砂嵐は前が見えない、雪山は地獄etc。
動物を見かけたら保護はするが、うっかりすると轢き殺しそうでソワソワ。
配達ゲームなので、スムーズに配達できるはずがないのは分かっているものの、「めんどくさいな」と思うこともしばしばだった。
ほかの配達人の建造物を共有できるオンラインは便利な反面、オーストラリアに最初のカイラル通信をつなげた途端、未知のオーストラリア大陸に橋やら発電機やらがわんさか現れてちょっと萎えた。
まあ便利だから使うのだけど。
(ジャンプ台はまれに崖に激突するような地雷物件がある)
しかし、めんどくさいめんどくさいと思いながらも、雪山付近の施設はほぼすべてジップラインで行き来できるようにした。
おかげで、10章の大陸縦断長距離移動はラクだった。
F8のあとメキシコに行く前には、ミスター・インボッシブルめんどくさすぎると思いながら全拠点にQpidを接続した。
終わりよければすべてよし
ストーリー中も、ヒッグスのしつこさやプレジデントのプライベート回線にウンザリしていた。
ヒッグスは1周回って楽しいけど。
サムが燃やされてフラジャイルとトゥモロウがあわあわしていたときは、「なんでレイニーを呼ばないんだろ」と思いながら見ていた。
とにかく、常に楽しいというゲームではなかったけど、エンディングを迎えたらネガティブな気持ちは吹き飛んだ。
サムのための旅と言いながら、本当はフラジャイルのための旅で、ルーにもフラジャイルの想いや意志が受け継がれていることが最後に分かるのがとてもよかった。
メキシコとオーストラリア大陸という横の繋がりだけでなく、サムとルーの繋がり、ニール、ルーシー、フラジャイルとの繋がり、そしてルーの過去から未来への繋がり。
多面的な繋がりは、配達人サムの移動によって作り出されたものであると同時に、ヒッグスが持たなかったものでもある。
繋がりがあるからこそ、「あなたはひとりじゃない」と「死は別れじゃない」が心に響く。
トロコンを目指して
クリア後の今は、トロコンを目指してモノレールや国道の復旧を進めている。
全拠点の親密度上げは苦行だから前作ではやらなかったのに、どういうわけか今回はしっかりその作業沼に足を突っ込んでいる。
トロコンまでの作業量の多さにめまいがしているが、少し寂しくなったDHVマゼランと一緒に少しずつ進めていこうと思う。