【ハウス・オブ・ザ・ドラゴン】第7話「ドリフトマーク」感想。ドラゴンの代償

ハウスオブザドラゴン シーズン1感想 アイキャッチ

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の第7話「ドリフトマーク」を見た感想です。

ネタバレあります。

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第7話のざっくりあらすじ

レーナの葬儀に一族大集結。

  • レーナの葬儀にターガリエン家とヴェラリオン家が集まる
  • エイモンドはヴァーガーを奪い、それを目撃したジェイスやベイラたちともみ合いになり片目を失う
  • 責任追及の場でレイニラの息子らの出自への疑惑が持ち上がるが、ヴィセーリスはレイニラを擁護する。納得できないアリセントは怒りで我を忘れレイニラの腕を切る
  • レイニラとデイモンはレーナーの死を偽装して結婚する

盛りだくさんの葬儀

婚儀に負けないくらい葬儀でもいろいろ起きた。

ターガリエンとヴェラリオンの一族が集ったレーナの葬儀では、

棺は海に投げ入れられ、故人の兄(レーナー)は抜け殻になり、故人のいとこ(エイゴン)は飲んだくれ、故人のいとこ(エイモンド)は故人のドラゴンを盗んで故人の娘たち・甥っ子たちと殴り合いになって片目を失い、故人の夫(デイモン)は故人のいとこ&義姉(レイニラ)と愛し合う

など盛りだくさんだった。

(2022/10/10追記:上記の「いとこ」は「はとこ」ですね。レーナの母レイニスとヴィセーリスがいとこなので、ヴィセーリスの子であるレイニラ、エイゴン、エイモンドはレーナのはとこ)


6話で語られなかった情報が7話には多数出てくる。

ハーウィンの死が確定したこと、エイゴンは妹ヘレイナと婚約したこと、レイニラとレーナーが子を作ろうと努力はしたこと。

そしてヴィセーリスがボケてきていること。

オットーは予想どおり王の手に復帰した。

10年前に王が自ら除名した人がなぜ10年もたって再任するのか、ほかにいい人材がいないのか、と思ったけど、王の痴呆が最大の理由なのでは…?

ヴィセーリスはデイモンにも王都に戻ってこいと言うくらいだし。

2人とも王への反逆的な疑いで追放されたはずなのに、そういった過去をトイレの水を流すかのごとく簡単に流せるヴィセーリスは大丈夫なのか?

深まる対立と新たな結束

エイモンドがヴァーガーを奪い、レイニラとレーナの子供たちともみ合いになって片目を切られたことで、レイニラとアリセントの対立は激化。

争点はなぜエイモンドがレイニラの息子たちを落とし子と呼んだのかということになり、いきなり話題を振られたエイゴンが空気を読むことなく「見れば分かるでしょ」と公然の秘密をヴィセーリスに突きつけるが、ヴィセーリスは今回もレイニラの言い分を認めた。

家族としてひとつになれと要求するヴィセーリスだが、広間は完全にレイニラとアリセントの陣営で二分されていて、対立構造をそのまま表している。

今回の子供たちの争いや6話の剣の稽古は、レイニラとアリセントの代理戦争のようなものだったけど、ここでじかにレイニラとアリセントが衝突したのはきっと歴史的瞬間。


深まる対立の一方で新たな結束も。

10年ぶりに再会したレイニラとデイモンは結ばれる。

この婚姻には本人たちの気持ちのほか、レイニラの息子の出自というマイナス要因を吹き飛ばす強固な血のつながりがあり、継承権を強く主張できるというメリットがある。

ヴィセーリスの命でかろうじて保たれている家族関係に、この結婚がどんな影響を及ぼすのか気になる。

心を入れ替えたレーナーは、レイニラの都合で死を偽装されて自由の身になった(これはレーナーが心を改めるのが遅すぎた感)。

地位も名も捨てて愛する人と自由に生きるというのは、かつてクリストンがレイニラに提案したことだし、レーナーがただの一般人になることは「歴史に残るのは名前だ」とこだわるコアリーズへの強い皮肉だよなあと思ったり。

しかしレーナの娘たちは母親を失いドラゴンを奪われ父親は再婚と、怒濤の人生で忙しいな。

片目を犠牲にドラゴンを得る

高潔なだけではゲームに勝てない、と今回アリセントは叩き込まれたのではないだろうか。

アリセントがたまりにたまった怒りに我を忘れてレイニラを切ったことを、オットーはアリセントの勝利への決意と好意的にとらえる。

そしてオットーは、片目はドラゴンを得た代償として当然のものというエイモンドに賛同する。

ドラゴン=片目を失っても余りあるおつりがくる収穫というのがピンと来なかったけど、ヴァーガーにはそれだけの価値があるのだろう。

ウェスタロス最大のドラゴン、ヴァーガー。

征服王の時代から生き残っている唯一のドラゴンで、大きさだけでなく歴史的にも高い価値を持つ。

そんなドラゴンを乗りこなしたことでエイモンドが得た自信は計り知れない。

(ドラゴンに乗ることが超危ないということも今回エイモンドと体験できた)

また、ヴァーガーは玉座に似ているところがある。

ヴァーガーがレイナのものになるはずだったように、ヴィセーリス亡き後の玉座はレイニラのものと形式上はなっている。

しかし、それらに法的な確約などはない。

ドラゴンと同じく玉座も、持ち主がいないからという理由で、野心ある他者に奪い取られる可能性があるのだ。

今回のエイモンドの行動は、危険を冒してでも目的を果たす重要性や、血を流すことがもたらす利益をアリセントに示したように思う。

冷静さを取り戻したアリセントは、相手の目がお望みなら叶えますよというラリスの甘言にはつられなかったが(タイミング次第ではあり得た話)、近いうちにラリスを有効活用しそう。

怒りで判断力を失った上での暴力は不利益にしかならないが、明確な目的のもとで思慮深く力を行使すれば得られるものがあるのだから。

あと、オットーは野心のあるエイモンドに期待を寄せていそう。

エイゴンとエイモンドへの態度の違いを見ても明らかだけど、オットーも次男らしいから、兄より素質があっても王位につけないエイモンドに思い入れがあるような気がする。

続き:第8話「潮の主」感想。次男たちの攻防



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