【Netflix版聖闘士星矢】S1の11・12話感想。グラードがつまらない理由


「聖闘士星矢: Knights of the Zodiac」の11話と12話のあらすじと感想をまとめた。ネタバレあり。

今回はNetflix版オリジナルキャラクターのヴァンダー・グラードがいかに話を退屈にしたかを語る。


Netflix版聖闘士星矢11・12話 あらすじ

11話のあらすじ

  • グラードは人類を救うため沙織を殺そうとする。
  • グラードにさらわれた沙織を助けるため、星矢たちがグラードの研究所に乗り込み、量産型カシオス暗黒聖闘士と戦う。
  • 沙織はグラードが蓄えたコスモを解放するため、星矢と共に研究所の地下へ向かう。


12話のあらすじ

  • 沙織はコスモの解放に成功し、仲間と合流して辰巳のヘリコプターで研究所を脱出する。
  • 沙織は城戸光政の死を悲しむ。
  • 自ら暗黒聖闘士となったグラードがヘリコプターを撃ち落とし、星矢たちを圧倒的なパワーで追い詰める。
  • 沙織を守るため、星矢はグラードを倒す。
  • どこからともなく放たれた黄金の矢が沙織の心臓に刺さる。



Netflix版聖闘士星矢 必殺技カウンター

11話の必殺技カウンター

  • 瞬必殺技カウンター:2(累計3)
  • 氷河必殺技カウンター:1


12話の必殺技カウンター

  • 瞬必殺技カウンター:2(累計5)
  • グラード必殺技カウンター:4


必殺技カウンター パート2合計

  • 紫龍:1
  • 氷河:1
  • 瞬:5
  • 一輝:2
  • アイオリア:3
  • グラード:4

9~12話の間に瞬が5回も必殺技を使ったのに対して、同じ話数に登場した紫龍と氷河が1回しか必殺技を使っていないという格差。

パート2全体で1話しか登場していない一輝とアイオリアより必殺技の使用回数が少ないってどうなの。

紫龍と氷河はプラカードを持って待遇改善を訴えたほうがいい。



グラードが残念だった3つの理由

私の意見ではヴァンダー・グラード関連のNetflix版オリジナル要素は失敗である。

11話と12話が突出してつまらなかったのは、グラードのキャラクター・ストーリー・設定、要するにほぼ全てが残念だったからだ。

オリジナル要素で言えば瞬の性別変更も微妙だが、瞬の場合は言っていることやっていることは基本的には原作に沿っているので遥かにマシ。

グラードの何がダメだったか、3つに分けて私の考えを述べる。


主戦力が暗黒聖闘士というインパクトのなさ

グラードの目的は科学の力で人類を救うこと。

アテナ、ハーデス、ポセイドンの争いが人間に終止符を打つと考えているグラードは、科学を発達させて神々に対抗しようとした。

ここまでは別に問題ない。問題はその手段だ。

グラードの言う科学の結晶は暗黒聖闘士。あの量産型カシオスで神と戦おうとしていたのだ。

今は沙織の周りに黄金聖闘士はいないが、量産型カシオスで黄金聖闘士とも戦うつもりだったなら寝言は寝て言えという話である。


コスモを核兵器のように扱った

暗黒聖闘士だけでは勝てないのはグラードも重々承知していたのか、彼は聖闘士を倒すために研究所の地下にある巨大装置にコスモを蓄えていた。

溜めたコスモを解放すれば聖闘士を攻撃できるとかなんとか。

聖闘士の体内に秘められたパワーであるコスモを外部に溜めるという意味不明な展開である。

しかも沙織さんが装置に手を当ててコスモを解放すると(この解放の仕方も意味が分からない)、研究所は大爆発。

コスモを核エネルギーか何かと勘違いしてなかろうか。

いかにもアメリカ的…という言い方は好きではないが、このコスモ核兵器化の発想は「アメリカっぽいな」と言わずにはいられない。


一応ボスなのにチンピラと同列にされる

グラードの残念さに決定打を与えたのが、星矢から見たグラードがもはやザコだったことだ。

暗黒聖闘士となったグラードに対して星矢が「お前みたいなやつを知ってる。自分を中心に世界がまわっていると思ってるやつだ」と言う。

この時の星矢のフラッシュバックで出てきたのが、1話で幅を利かせていた近所のチンピラである。

グラード、星矢にとってはチンピラと同列という事実。

分かるよ、グラードは星矢と戦っているのに沙織を狙っちゃうような小物なのでチンピラと同じ扱いしたくなるのは分かる。

しかし、曲がりなりにもグラードはパート2のラスボスである。モブキャラと並べられてしまうってどうなの。

作った側も、せっかくのオリジナルキャラがチンピラと同格になって悲しくならないのだろうか。


というわけで、11話と12話は見れば見るほど(2回しか見てないが)グラードの存在意義に疑問に感じるものだった。

独自展開やるならアイオロスの出番を増やしてくれれば射手座の私は喜んだのに。



第三勢力になるというグラードの試みはよかった

全般的に残念だったグラードだが、設定が違えば面白い展開になったかもしれない。

サンクチュアリが教皇派とアテナ派に分裂していたところに、グラードは暗黒聖闘士の力を使って第三勢力として割って入ろうとしていた。

この心意気は評価できる。

サンクチュアリは内輪もめばっかりなので、サンクチュアリと関係ない第三の勢力が現れることは悪い話ではない。

ただ、その手段が量産型カシオスというのはあまりにも無謀である。

思い切って海闘士みたいな新しい敵を制作側が用意していたら話は違っただろう。

例えば、ほら、日本神話をモチーフにした大和闘士とか。読み方は知らんけど。

イザナギの何とか、アマテラスの何とか、とかいろいろ登場させたら楽しそう。聖闘士が日本の神様をモチーフにした敵と戦うのは物議を醸しそうだが。

とにかく、もしグラードが暗黒聖闘士で戦うとかいう中途半端なオリジナルキャラではなく、誰も想像しなかったような新しい設定で攻めまくるぶっ飛んだキャラクターだったらもう少し盛り上がったのではと思うわけです。

私の中でグラードの功績はハーデスとポセイドンの名前を出したことくらいである。ハーデスもポセイドンも出す気なのかなNetflixは。



おわりに

残念ながらグラードが活躍するパート2の11、12話は退屈だったが、これでNetflixオリジナル要素が消化されたので、パート3からは原作に近いストーリーになると期待する。

次はきっと聖域十二宮編なので、続きを楽しみに待ちたい。

前の記事:【Netflix版聖闘士星矢】S1の10話感想。紫龍目潰し、アイオリアの移動距離


Next Post Previous Post