【FF16】ディオンが強いのは当然。ついでにアナベラの結末のこと(2周目プレイ記録8)

FF16 感想 アイキャッチ

『ファイナルファンタジーXVI』の2周目(FFチャレンジ)のプレイ記録。

主にストーリーに関して、2周目で感じたことや気づいたことなどを書いていきます。

今回はディオン殿下やハルポクラテスのサイドクエストのこと、ついでにアナベラの結末について。

メインストーリー全域のネタバレがあるので、1周クリア後の閲覧がおすすめ。

なぜディオンは最後まで己を保てたか

クライヴとジョシュアをオリジンまで連れていくと宣言したディオン。

力を吸収されたドミナントが顕現することは己を捨てる行為、というクライヴの憂慮などなかったかのように、ディオンは役目を果たし最後まで自我を保っていた。

1周目では演出の盛り上がりもあって「ディオン殿下、強いな~」とサラッと思っただけだったけど、改めてディオンのストーリーを見てみると「そりゃ己を失うわけないな」と納得の展開だった。

大切な父親を自分の手で殺す(アルテマのせい)

内乱時、民の犠牲は出さないはずだったのに、自分で街ごと壊滅させる(アルテマのせい)

死にかけていたところをクライヴとジョシュアに助けられる

ツインサイドに戻り、自分のしたことを目の当たりにする

薬売りの少女に助けられる

魂を幽世に送るランタン(=ディオンが奪った命)を見て、自分の罪に向き合い、罪を償う決意をする

バイロンからクライヴの居場所を聞き、贖罪のチャンスを得る

生きる資格などないと考えていたディオンが、周りに救われて、自分の罪に向き合って、癒えない傷を抱えながら罪を償っていこうとする。

クライヴは海岸でジルに言っていた。「罪も想いもそのすべてが俺自身を人に留めてくれる」と。

(ちなみに海岸のシーンは、英語だとジルが望んで力を差し出すという日本語と違う流れ)

罪は人を人に留めるらしい。

背負った罪の重さや、救われた命を世界のために捧げたいという強い思いがあったから、ディオンは最後まで人でいられたのだと思う。

ディオンは自分を救えたのか?

英語版の脚本のほうが、日本語より言いたいことをハッキリ言ってくれて分かりやすい場面がある。

(何でもセリフにハッキリ出せばいいわけじゃないし、日本語のほうがいいところもあるので、日本語と英語のどっちがいいということはない。と思ったけど、たぶん英語のほうが情報量が多い

ディオンと再会したあとのハルポクラテスは、ディオンについてこう語る(英語テキスト版)。

「殿下の傷は時ですら癒せないかもしれない。許しが必要なのだ。私たちや仲間からでも、亡き父親からでもなく、殿下自身の許しが」

このあたりの会話

日本語だと「己を受け入れられるように生きてほしい」という主旨だが、英語だとディオンに本当に必要なのはディオンが自分を許すことだとなっていて分かりやすい。

さらに、オリジンのイフリート、フェニックス、バハムートとアルテマの戦闘時、ディオンがジョシュアの盾となったシーンでも、「求めるのは許しだけ」というディオンの心の叫びを聞くことができる。

このあたりの会話

深い深い傷を負ったディオンが救われるのは、自分で自分を許したときなのだ。

ディオンがオリジンに行く決意をしたのはアルテマには借りがあるから、というのも理由のひとつだけど、クライヴとジョシュアに命を助けられていることが大きいと思う。

ディオンは恩に報い、クライヴとジョシュアを生かし、世界を救った。

天から落ちていったディオンは、自分を許せたのだろうか。

正直なところ分からない。満足気な顔をしていたからいいのかな…。

私はディオンは助からなかったと思っているけど、もしディオンが生きているのなら、民や贖罪のためではなく今度こそ自分の幸せのために生きてほしい。

ハルポクラテスのサイドクエスト、日英の違い

終盤に発生するハルポクラテスのサイドクエスト「老師の想いを胸に」。

ハルポクラテスが野生の飛竜草をディオンに渡すときのセリフが、日本語と英語で違いがあった。

▼ 日本語(一部簡潔にして書き出したもの)

ハルポクラテス「飛竜草は厳しい環境に置かれたとき希有な色の花を咲かせる。その根に猛毒を持つとは思えぬほど美しい花を咲き誇らせる。殿下もこの花と同じ。これまでのすべてがあなたを今のあなたを咲かせている。誰に責められようとあなただけは自分を誇ってほしい。再会の記念にこの飛竜草をお渡ししたい」

ディオン「この花をしばらく守っていてほしい。すべてを終えたら必ず…」

ディオン(クライヴに対して)「生きた証を残したいなど少し感傷が過ぎたか」

▼ 英語(ざっくり訳したもの)

ハルポクラテス「飛竜草は厳しい環境に置かれたとき希有な色の花を咲かせる。野生の飛竜草も、根(ルーツ)はほかの飛竜草と区別がつかないが、花が咲くと違いがはっきりと現れる。殿下もこの花と同じ。根(ルーツ)がどんな飛竜草であるのかを決めるのではないように、あなたを決めるのはルーツではない。その真実を思い出せるよう、この飛竜草を受け取ってほしい」

ディオン「この花をしばらく守っていてほしい。私がやるべきことを果たしたときが、受け取るにふさわしいときだから」

ディオン(クライヴに対して)「ルーツがその人を決めるのではない、か。義母上が彼を嫌っていたのも無理はない」

英語だと最後にアナベラが出てきてびっくりした。

英語版でそうなっているのは、飛竜草の「根(roots)」から話が始まり、今のあなたを決めるのは過去のあなた(your roots)ではありませんよ、となっているから。

rootsという言葉からは根だけでなく、物事の本質、過去、この場合は生まれや血筋などいろんな意味をくみ取ることができる。

だからディオンは血筋にこだわっていたアナベラを思い出し、クライヴもそれを聞いて小さく笑う。

唐突にディオンが義母上とか言うから不意を突かれたけど、アナベラという人を母に持ち、かつアナベラにいい思い出がみじんもないという共通点を持つディオンとクライヴが、アナベラを思い浮かべてフッと笑うのがほんの一瞬なのにいろんな思いをかき立てる。

ただ、ふたりがアナベラにされたことを考えると、この「フッ」はほっこりシーンではなく苦笑いにしか見えない。

アナベラの結末について

ついでなので、アナベラの結末についてねじ込みたい。

ツインサイドでアナベラが死を選んだのは、ジョシュアとクライヴが生きていたことで、今まで積み上げてきた努力や選択が間違っていた・否定された・ムダになったと分かり、その事実に耐えられなかったからだと思う。

アナベラは完璧な血筋を持つ子をつくって世界を手に入れるため、周到に計画して、実践して、嫌なことにも耐えてきた。

その結果がこうだ。

  • 自分のすべてを賭けたオリヴィエは死んだ
  • 自分が見捨てたクライヴとジョシュアが目の前で生きている
  • ジョシュアだけでなくクライヴまでドミナントになっていた

アナベラが捨てたのは理想の条件を備えた息子で、アナベラが手に入れたのは血筋だけよくて何の力もない息子だった。

想像だけど、オリヴィエが無力で頼りないことにアナベラは気づいていたんじゃないかな。

だからベアラーを粛正して、オリヴィエの脅威を徹底的に取り除きたかったのでは。


アナベラがあっさり退場したことに、最初は不完全燃焼感があった。

でも、見捨てた息子2人と、見下していた義理の息子と、邪険に扱った北部の小娘という4人のドミナントに囲まれて、アナベラは失敗を認めることもあやまることも命乞いもできず完全敗北したのだから、まあいいんじゃないの。

続き:2周目を終えてのエンディング感想。クライヴは…

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