IELTSスピーキングの流れ・実際に聞かれた質問・答え方


初めてIELTSに申し込んだときは、スピーキングテストがどのようなものか分からず不安だったのを覚えています。

そのときのことを思い出しながら、IELTSのスピーキングテストの概要、採点基準、試験本番の流れ、意識するといいことをまとめました。

実際のテストで出た質問と、それに対してどのように答えたか、試験対策に役立ったサイトや動画についても紹介しています。

初めてIELTSを受ける方や、スピーキングのスコアが6.5だった人の体験談に興味がある方の参考になればと思います。



IELTSスピーキングテストの概要と採点基準

スピーキングテストの流れ

IELTSのスピーキングテストは外国人の面接官と1対1で行われる面接試験です。

試験はイントロダクションと3つのパートに別れており、

  • パート1:身近なトピックでのインタビュー
  • パート2:与えられたトピックで2分間のスピーチと質疑応答
  • パート3:パート2でのトピックを掘り下げた質疑応答

となっています。

所要時間はすべてあわせて15分前後です。

MEMO
スピーキング試験までの流れは「イギリスIELTS試験当日!パスポートチェックありすぎな1日」にまとめました。イギリスで受験したときの記録ですが、雰囲気はつかめるのではないかと思います。


スピーキングテストの評価基準

IELTSのスピーキングテストは下記4点で採点されます。

  • Fluency and Coherence(話の流暢さと論理的一貫性)
  • Lexical Resource(語彙の豊富さと適切さ)
  • Grammatical Range and Accuracy(文法の幅広さと正確さ)
  • Pronunciation(発音)

簡単にまとめると、

適切な速度で、言葉を詰まらせず、論理的に、同じ単語を連発せず、正しい文法で、丁寧な発音で話す

これが得点アップの条件です。

各項目の詳しい説明はブリティッシュカウンシルのIELTS試験対策のページに書かれています。



イントロダクション:内容と対策

面接室に入ると面接官の自己紹介と、パスポートを使っての本人確認があります。

この部分は採点対象ではないので、聞かれたことにシンプルに答えれば問題ありません。

初めての受験で不安であれば、こちらの動画を1回見ておけば大丈夫でしょう。

IELTS Speaking: Greeting the examiner




Part 1(インタビュー):内容と対策

本人確認が終わるとすぐにテストが始まります。

パート1では自分のことや身の回りのことなど、2~3のトピックについて質問されます。

トピックは仕事・学校、出身地、家庭、芸術、読書、食べ物、趣味、音楽、映画など多岐にわたるので、できるだけ多くの質問例を見て準備しておくことが重要です。

私が聞かれたのは仕事と食べ物のことでした。

おそらく最初の1問は高確率で「今仕事をしているか、それとも学生か」のような質問なのではないかと思います。無職の人は直前にやっていた仕事のことか、学校で勉強していたことを話せば大丈夫です。

パート1の質問例は以下のサイトをはじめ、探すとたくさん見つかります。

IELTS Speaking Part 1 Topics & Questions(IELTS Liz)

Speaking Test - Part 1(IELTS Mentor)

項目が多すぎてやる気を喪失しますが、パート1は準備すればするほど点数を取りやすい部分です。各質問について、最低でも3文くらいで答えられるように練習しておきましょう。

私は家族、出身地、思い出の祭り、印象に残っている映画・本・博物館などいろいろ練習したつもりでしたが、食べ物に関しては完全に抜けており「あなたの周りでは、外食と家で食事をするのではどちらが人気ですか」と質問されて早々に詰まりました。



Part2(スピーチ):テストの流れと実際に出た問題

パート2の流れ

パート2では与えられたトピックについて2分間のスピーチをし、そのあとスピーチの内容についてのインタビューがあります。

トピックカード・鉛筆・メモ用紙を渡される

話す内容を準備する(1分)

スピーチする(最大2分)

スピーチに関連する質問に答える(1~2問)

トピックカードにはスピーチのお題と、スピーチに入れる必要のある内容が書かれています。

私が実際にもらったトピックは、

「あなたの周りにいる、よくしゃべる人について」

含めなくてはいけない情報は、

「いつ知り合った人か」「どんなことを話すのか」

などでした。


どのようなスピーチをしたか

このトピックはそれまで練習してきた内容からは想像つかないもので面食らいました。

一瞬頭が真っ白になりましたが、たまたま仲のいい友達が思い浮かんだので、

いつどこでその人と出会ったか、どんなことが話題になるのか、その人のことをどう思っているか、自分は話を聞くのが好きなタイプだからその人と合っている

といった内容を2分ギリギリまで話しました。

スピーチが終わると、試験官からスピーチに関連する質問をいくつか受けました。

どんな質問をされたか具体的には覚えていないのですが、たしかコミュニケーションに関することと、スピーチで「自分は話を聞くのが好きなタイプだからその人と合っている」と言ったことに対して細かく聞かれたと思います。


スピーチの対策・練習方法

スピーチについては、慣れないうちはとりあえず時間を計らないでメモしたり話したりする練習から始め、ある程度話せるようになったらタイマーを使って練習するといいでしょう。

英会話に不安があれば、オンライン英会話でもカフェ英会話でもいいので、IELTS対策の経験がある人を探したほうが効率がいいです。

どのようにスピーチを始めるかに関しては、この動画が参考になります。

IELTS Speaking Part 2: How to start your talk (IELTS Liz)




Part 3(ディスカッション):どのような質問が出たか

パート3ではパート2のトピックに関連した質問をされます。

正しい答えのない抽象的な問いに対して自分の考えをすばやくまとめることが求められるので、スピーキングテストでもっとも難しい部分です。

私はコミュニケーションに関するトピックで、以下のことを聞かれました。

  • 大人以上によくしゃべる子供がたまにいる。その子がそんなにしゃべる理由は何だと思うか?
  • 親は子供が自分の意見を言うように働きかけるべきか?
  • 子供が静かにしていなければならない状況にはどのようなものがあるか?
  • ひとりの人がグループに話しかける仕事にはどのようなものがあるか?
  • そのような人は、大人相手と子供相手のどちらが話しやすいと思うか?

どれも人生で初めて考えるような質問ばかりで、聞かれた瞬間「知らんがな!」と白目をむきそうになりました。

子供関係の質問は子供が身近にいれば答えやすいのでしょうけど、私はそうではないので数年前の記憶を引っ張り出して、

「私の友達に大人以上によく話す子供がいた。5歳くらいの女の子で、話を聞いてもらえるのがうれしいか、覚えたばかりの言葉を使いたくてたまらないのではないか」

と答えましたが、もう2文くらいほしかったです。

「ひとりの人がグループに話しかける仕事」では、ぱっと思いついたのが先生と政治家だったのですが、政治家の英単語(politician)をド忘れして先生としか答えられず、話を広げられませんでした。

とまあパート3はわりと玉砕しました。

パート2とパート3はなじみのあるトピックに当たったほうが圧倒的に有利であるため、運に大きく左右されるなと思いました。



スピーキングテストで意識すべきこと

1.間違えても話し続ける

特にスピーチで意識していたのは、とにかくしゃべり続けるということ。IELTS講座の先生も、話を止めないことは大事だと言っていました。

話しながら気づいた文法ミスもいくつかありましたが、すぐに訂正できないと思ったときは気にせず話を進めました。

話し続けるという点では、苦手なトピックが出たときもアイデアをひねり出して止まらずに話せると最高なのですが、私はそれがうまくできませんでした。


2.同じ表現を何度も使わない(パラフレーズ)

単語やイディオムの言い換えはパラフレーズと呼ばれ、IELTSにおいて高得点のカギとなっています。

リスニングやリーディングではいかに問題文・選択肢のパラフレーズに気づけるかがポイントですし、スピーキングとライティングでは1つの意味をいろいろな言葉で表せることが評価されます。

例えばパート2のスピーチでは、「よくしゃべる人」と言いたいときは「talks a lot」「likes to chat」「talkative」などを使い、語彙のバリエーションをアピールできるよう努力しました。


3.1つの話題に対して違う視点を入れる

スピーキングの勉強しているときに思ったのは、違う立場から見た意見を入れると話題に深みがでるということ。

再びパート2のスピーチを例に挙げると、主題の「よくしゃべる人」のことだけではなく、「自分はどちらかといえば話を聞くのが好きで…」と自分がどういう人なのかにも触れました。

ほかにも「お気に入りのショッピングモール」というお題であれば(練習問題にあった)、

「子供向けの施設が多くて家族向けだが、家具や家電など何でも店がそろっているので、引っ越したばかりの人にもおすすめだ」

あるいは、

「このショッピングモールができる前は人が少なく町が汚かったが、できてからは町がきれいになって住宅も増えて活気が出た」

といったように、視点を増やせると説得力が強まります。

IELTSのスピーキングでは真実にこだわる必要はないので、話を深めるために作り話も積極的に利用しましょう。



まとめ

IELTSのスピーキングは、リスニングやリーディングと比べて苦労する科目です。

どんなに準備しても今まで考えたことのない質問をされる可能性はありますが、なるべく多くの問題例を見て、何を聞かれてもある程度は話し続けられるよう練習しておくことが重要です。

海外に行けばパート1に出てくるようなトピックはしょっちゅう話題になりますし、パート3のような抽象的なことについて議論する機会もあるかもしれません。

IELTSのスピーキングで練習したことが役立つ場合もあるので、様々な話題に対応できるようにして損はないと個人的には思います。

追記

最近読んだ『総理通訳の外国語勉強法』がスピーキングの勉強方法やマインドセットに役立ちそうだなと思いました。

スピーチの練習方法、語彙の増やし方が具体例と共に書かれている他、パラフレーズ(表現力)やクイックレスポンスの重要性にも触れられています。

試験対策のための学習ではなく、その先を見据えての学習を考えさせてくれる本です。




イギリスでIELTSを受けた体験談

Next Post Previous Post