【オクトパストラベラー2】8人のストーリー感想(ネタバレあり)

オクトラ2 ストーリー感想 アイキャッチ

オクトラ初心者の『オクトパストラベラーII』感想。

  • 前作のキャラクターの名前はひとつも知らない
  • 「ロマサガみたいに8周するんだろう」と体験版が終わるまで思っていた
  • ヒカリの声がアシタカの声だとトロコン後に知った

このようなプレイヤーによる主にストーリーの感想です。

ヒカリ → オズバルド → アグネア → キャスティ → テメノス → オーシュット → ソローネ → パルテティオの順(=私のクリア順)。

以下、エンディングまでのネタバレあり。

ヒカリ編

主人公のストーリーをクリアするまで主人公はパーティーから外せない、と聞いて選んだのがヒカリだった。

バトルでどの技をどんなときに使うのか分からない状態だったので、ただ敵を叩いているだけでも強いヒカリは初心者にやさしい。

ストーリーも王道展開の幕の内弁当状態なのでおもしろいし、最後の最後まで身内がストーリーに関わってくるので、右も左も分からないなりに満足のいく選択をしたと思う。


ヒカリのストーリーは、血の流れない争いのない国を、というヴィンランド・サガっぽい崇高な使命感のもと、諸葛亮のような軍師と関羽のような右腕を従えてムゲンを討つ爽快な筋書きだった。

欠点を挙げるならヒカリが聖人君子すぎて感情移入する隙がなかったことくらい。

ヒカリ5章をやったときは、ヒカリ以外のメンバーが全員レベル40以下でえらい苦労し、最後のムゲンにやられると連戦やり直しで大変めんどかった思い出がある。

そんなことよりも。

ヒカリの成し遂げたことはすべてカザンの計画だったのが衝撃だった。

世界の歴史を塗り替えられるだけの慧眼の持ち主が、誰よりも明日を拒み世界の終わりを望んでいたというのが興味深い。

カザンの妹オリも、同じ目的がありつつ新聞記者として世の中の出来事を記録する仕事をしていたし。

最終章があっさりだったのが惜しまれる。

オズバルド編

雪の中で助けた囚人服を着たガタイのいい男に一緒に旅しようって言われてなんで素直に同意できるんだろう。

オズバルドと出会って最初に思ったのがそれだった。

用がないときはとりあえずオズバルド先生を踊子で放置しておきたくなるプレイヤーは私だけではあるまい。


エレナが生きていたことで復讐しか頭になかったオズバルドの生きる意味が変わり、宿敵ハーヴェイの究極魔法を圧倒したのは愛だった、というくだりはベタだけどよかった。

オズバルド編 画像

オズバルドの口数が少ないのは、無実の罪による長い監獄生活で心が壊れてしまったからなんだろうなと思ったら、本当にただ寡黙なだけだった。

最後の最後でエレナに「探る」したときは「なんでだよ」ってちょっと笑った。

アグネア編

「ロマサガみたいに8人全員やらないといけない系かな?」と思い込んでいた私が体験版で最初に選んだ主人公は実はアグネアだった。

どうせ8周するなら一番興味のわかないキャラで始めようというのが理由。

実際、ほかの7人と比べて1章はいまいちだった。

おつかいが多いし、アグ姉には立派な桃が~とか1ミリもおもしろくない(英語だと人の体型を示唆する要素はなく、アグネアのダンスで人を協力させるということになっていた)。

話は5章に飛び、ドルシネアとのダンス頂上決戦は、ゲームの仕様上やむを得ないのは分かるけどけっきょく武力衝突で笑った。


アグネアはよくも悪くも、ひたすら周りに元気を与える役割に徹している。

絶望した人々に手を差し伸べ希望を与え、その想いを受け継ぎまた次の人に元気を与えていく。

アグネア本人の成長物語はなく、ギブしたぶんだけ何かを得て、着々とスターの道を歩んでいく。

つまずくのは物理的な意味でのみで(5章以外では)、むしろよく転ぶので自分で起き上がるのが当たり前になっている感すらある。

だからこそクロスストーリー後編でヒカリが「つまずいたなら俺が手を差しのべよう」と言ったのが響いた。

アグネアとヒカリ 画像

ところでアグネアは、身近に邪神の関係者がいたり、地元に厄災が訪れたり、といったことがない唯一のキャラクターなんだよね。(追記:これ書いた時点ではタンジーの存在をすっかり忘れていた。ジゼル座が通常運転すぎて)

誰よりも脚光を浴びるスターでありながら、一歩引いたところで仲間と経験を共有し、その想いを大舞台でみんなの前で語るラストはよかった。

客席の師匠から目が離せなかったけど。

キャスティ編

全然よくない話にも問答無用で「いいお話ね」と反応するソリスティアのおふくろキャスティ。

薬師でありながら医師や看護師のようなこともこなし、さらに戦えるというスペックの高さ。

キャスティの失われた記憶には何が? と好奇心をそそる出だしから始まったものの、取り戻した記憶から衝撃の事実やキャスティの意外な一面が明らかになることはなかった。

キャスティもトルーソーと一緒に紫の雨を降らせていました、くらいの展開があったならまだしも、記憶を失うほどの設定が必要だったのか疑問。

でも、キャスティが言葉より行動で周りを動かす姿は好き。エドマンドさんの好感度の昇龍拳ぶりはすさまじい。


トルーソーの聞いた声というのが、きっとクロスストーリーの後編で聞こえた声なんだよね。

キャスティ編の感想 画像

救えなかった患者の声にキャスティものまれそうになったけど、オーシュットのすぐれた嗅覚に救われていた。そばに誰がいたかでわかれた明暗。

トルーソーは当時たしか人なき村で留守番していたから、そばにエイル薬師団の誰かがいたら違う未来になっていたのかもなと思う。

テメノス編

全編を通じて話の核心に関わる重要人物だったテメノス。

夜だけウェポンマスターになって六器繚乱で町を暴き回る楽しさに気づくころには、たいていの町人の情報が入手済みになっていた。


よくしゃべるけど本音は言わないとオズバルドに指摘されていたとおり、テメノスは感情を口にしないのが特徴。

教皇の殺害現場を見ても聖堂機関の嫌味を聞いても大きく動じないように見えたけど、どうやら実際は亡き親友が夢に出てきただけで翌朝目を赤くするくらい繊細な人らしい。

テメノス編 画像

そんなテメノスにクリックの死が与えたショックは相当なものなはずだけど、気持ちを一切言葉にすることなく、「仕事」という便利な言葉で悲しみを覆い隠してカルディナを倒して真実を暴く姿は強かった。

(カルディナはカルディナで、あれだけのことをしたのにテメノスから答えを聞けると思っている傲慢さがあふれ出ているのがよい)

神を信じないテメノスが信じていたのは、身近にいたまっすぐな人だったのだと思う。

気になる点があるとすれば、テメノスの推理がたまに推理じゃなくて超能力の領域だったことくらいかな。

ミントさんは最初から何とも言えないうさんくささがあったけど、黒幕だったのにはびっくりした。

オーシュット編

10秒に1回は「腹減った」か「メシ」という言葉を発するオーシュット。

伝説の魔物やら緋月の夜やら、仰々しい要素でただならぬ雰囲気をかもしだしつつ、ストーリー自体は3体の魔物を島に連れて帰るだけのシンプルなもの。

その過程で、人と魔物、人と獣人が分かり合うことの難しさが描かれたり、肉にしか興味のなかったオーシュットが島への責任感と愛情を抱くまでに成長したりする。

オーシュットの別れ際 画像

成長要素のあった唯一のキャラクターかも。

ただ、人の善悪すら鼻で嗅ぎ分けるのはすごい技能だけど、あくまでオーシュットの主観なので、けっこう危険な判断基準だよなと思ったり。

名誉のために命を奪うのと食べるために命を奪うのって、やっていることは一緒だから、オーシュットが文句を言う筋合いはあるのだろうかと思ったり。

それもオーシュットの若さの象徴かな。

なお、オーシュット編のラスボスは、開幕でオーシュットがブーストを使い果たすという不測の事態のせいで3回全滅した(2回目以降はぜんぜん不測じゃない件)。

ソローネ編

血と暴力にまみれたアメリカのギャング映画のような舞台だったソローネ。

誰よりも冷徹で容赦ない一方で、モフモフや木いちごが好きだったりと誰よりもキュートな一面を持ち、ギャップ萌えこそが第7の根源なんじゃないかと3秒だけ真剣に考えさせられた。

彼女が今まで与えられた仕事を完璧にこなしてきたであろうことは、踊子でおはだけを使ったときに十分すぎるほど察することができる。


2人の母と2人の父の死を経て自由を得るまでの話は、8人の中で一番好きだった。

「蛇」の母から産まれたソローネが、生まれ変わって自分の脚で自由に走れるようになったのは感慨深い。蛇に脚はないから。

でも、首輪を外した瞬間のソローネの反応が「血の匂いがする」で、多くの犠牲を積み重ねて勝ち取った自由を単純に喜べないのが自由の重みを物語っている。

だがしかし。

4章でソローネのお父さんはピルロの父でもありドニとスキラッチの父でもありマザーとファーザーの父でもあり黒蛇のやつらの父でもあり、優秀な種を選ぶため子供たちを互いに争わせることにしたって聞いたときは、

ソローネ編 画像

それ聖闘士星矢じゃない?

って笑っちゃったよ。

邪神の器の話がさらっと出て終わったのは残念。

エピローグで別れ際に「私だって寂しいよ」とオーシュットに返していて、自分の気持ちを素直に言葉にするところはテメノスと真逆でおもしろいなと思った。

あの歪んだ親に育てられたのに、なんでこんなに仲間の気づかいができる優しい人に育ったんだろう。

パルテティオ編

もっとチャラいのかと勝手にイメージしていたら、浮ついたところがみじんもないまじめな商人だったパルテティオ。

800億リーフを言い値で受け入れるところとか、「技術は皆を幸せにしてこそ価値がある」と言い切るところとか、全面的には賛同できない主張もある。

昔ながらの技術に頼って生きてきた人もいるわけだし。

とはいえ、サースティの能力を見抜いて雇ったところは好感が持てた。

サースティは、その後のサブストーリーで気色悪いほど有能なのが分かり、たしかに会社にいたら心強いよなと。過去の行いではなく、その人の能力で処遇を決められるのは見事。

パルテティオだったらオリの過去をまるっと受け止めて、オリに明日を向くよう交渉できたかもしれない。

(しかしこの世界の人、丁寧に手記を残しすぎでは)


パルテティオ編のハイライトといえば現金800億リーフ。

パルテティオ編の800億リーフ 画像

「800億リーフの現金はあなた様のものです」

こんな強力なセリフをNPCに言われるゲームがあるだろうか、いやない。

しかもちゃんと800億リーフが所持金に加算されてフィールドコマンドできるの、楽しすぎる。


それにしてもロックカンパニーの給料、日本の物価で設定されているのかなと思うんだけど、特別事業本部の社員の月収が80万を超えていたのに対して製造組立の工場員の月収が7万9000リーフで、すさまじい搾取と格差を感じた。

ロックカンパニーの給与 画像

パルテ&ロック・カンパニーは適正な給与を与えていることを願う。

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