【ウォッチドッグス レギオン】ネタバレなし感想。ロンドンの再現度の高さに感動

イギリス在住経験があるので、ロンドンが舞台のオープンワールドアクションゲーム『ウォッチドッグス レギオン』は楽しみにしていた作品でした。

実際に『ウォッチドッグス レギオン』を遊んでみると本当にロンドンだったので、私が感激したポイントや違和感を抱いた点をネタバレなしでまとめました。


現在PS4版、Xbox版、PC版が出ています。

美しさも汚さも見事に再現されたマップ

観光ゲームと名高い作品を数多く作っているユービーアイソフト。

前作『ウォッチドッグス2』のサンフランシスコもリアルだったし(アメリカに行ったことないけど)、『ウォッチドッグス レギオン』は予告動画を見たときからロンドンの再現度がすごそうだなと期待していた。

ロンドンは住んでいたわけではないものの、20回は行った街なので観光地なら何がどこにあってとか何がどんな雰囲気でとかは頭の中に残っている。

いざゲームを始めて探索開始すると、どこもかしこも本物そっくりだった。

もちろん自分の行ったことある場所しか比べられないけど、レンガの少しくすんだ質感とか、ピカデリーサーカスの雑多な感じとか、ロンドン塔の薄暗さとか、テムズ川沿いのよそ見をしながら歩きたくなる景観とか、ミレニアムブリッジから見えるセント・ポール大聖堂の雄大さとか、あらゆるものが私の記憶どおりだった。

(ベルファスト号もそっくりだったけど落書きまみれになっていて「何があった?」と不思議に思っている。)

ゲームでは貨物ドローンに乗って上空から街を見下ろしたり、ミレニアム・ウィール(ロンドン・アイ)に乗ったり、テムズ川でボートを操作してクルージングしたり、ロンドン名物の赤い二階建てバスを乗っ取って運転したりできる。

特に貨物ドローンは「きっと鳥はこんな景色を見ているんだろう」という鳥気分も味わえ、普段見ることのできない角度からロンドンを満喫できて最高。

ミッションそっちのけで観光しているだけでも楽しい。

ただ、博物館や大聖堂など観光名所の建物に入ることはできないし、主要な観光地の敷地はだいたい立入禁止エリアになっているので気軽に散策できない。

そのあたりは残念だけど、とあるミッションでエリザベスタワー(ビッグベン)の中に入れただけでも良しとしたい。

あの時計塔、私が最後に見たときは絶賛修復中だったので、ゲームで完全体が見られてうれしい。

ビッグベン

一方、きれいなロンドンだけでなく汚いロンドンの再現も完璧。

カムデンマーケット周辺の壁の落書きや道端に捨てられている黒いゴミ袋の山、地面にはりついた大量の新聞紙やチラシ、踏まれてつぶれた紙コップや空き缶。

まあ、私はカムデンには行ったことがないのだけど、私の住んでいたバーミンガムにあんな感じの汚い場所があったので(今は改善されていると思いたい)。

で、汚い地域にはたいてい舗装ボコボコな道路があって。ゲームでもひび割れた道路やアスファルトがはがれた道路が描かれていたので、そういった細かさに驚くばかりだった。

ゴミ袋にぶつかると袋が破れてゴミが散乱するどうでもいい仕掛けすら楽しい。

『ウォッチドッグス レギオン』のロンドンは近未来の架空のロンドンなので、街中にドローンが飛び交い自動運転車が行き交っており、さらに民間軍事会社とギャングが幅を利かせていて閉そく感に満ちている。

でも、リアルに再現された街並みだからこそファンタジー要素が逆に際立っておもしろい。

私が感じたイギリスならではの要素

ゲーム内のキングスクロス駅かユーストン駅だったろうか。アナウンスでイギリス鉄道警察のスローガンの「See It. Say It. Sorted.」が背景で流れていて地味に感激した(空耳だったらあやまります)。

このアナウンスは「不審な荷物を見つけたら鉄道警察に伝えてください。そうすれば鉄道警察が解決します」という趣旨のもので、実際にイギリスの鉄道駅や電車の中でよく耳にする。

イギリスに住んでいた頃は「See It. Say It. Sorted.」を聞くたびに「またかよ」と思っていたが、今はただただ懐かしい。

また、道行くキャラクターの中に「体が不自由」という設定を持つ人がそこそこいるのも、足が悪くて杖をついている人が多いイギリスの特徴を表しているのかもしれない。

イギリスの冬は日照時間が少ないため(午後3時すぎから暗くなる上に晴れの日がほぼない)、日光を浴びることで体内で合成されるビタミンDが不足して骨がもろくなる人が多いらしい。

走ったりかがんだりできないキャラクターに命がけの工作員活動をさせるデッドセックって… と思ったけど、スパイダーボットで先に敵を全員テイクダウンしておけば堂々と潜入できるし、何なら安全地帯からスパイダーボットを操作するだけでクリアできるミッションも多いから、体が不自由でも十分に活動できるなと考えを改めた。

あと、写真で自撮りする際のジェスチャーの中に裏ピースがあったけど、あれはイギリスでは中指を立てるのと同じようなもので、友好的なサインではなく反抗的なサインです。

ロンドン市民がみんなスマート

体が不自由な人の存在にリアリティを感じた一方で、違和感を抱いたのが『ウォッチドッグス レギオン』では肥満体を見かけないこと。

イギリスはNHS(国民保健サービス)のサイトに「イングランドは過体重・肥満の成人が60%以上」と書かれるほど肥満が社会問題になっている国でもある。

参考資料:Statistics on Obesity, Physical Activity and Diet, England, 2020

移民の多いロンドンではふくよか系は目立たないかもしれないが、白人の豊満ボディ率は高く、私がバーミンガムに住んでいたときもぽっちゃりという言葉では済まないレベルの体型の人があちこちにいた。

私がイギリスで覚えた単語のひとつに「bingo wings」があるくらい。主に女性の二の腕に垂れ下がる贅肉を指すスラングである。

話はゲームから逸れたが、『ウォッチドッグス レギオン』に登場するロンドン市民はみんなスタイルがよく、ロンドンの再現に関してリアリティに欠ける点を挙げるならそこかなと思った次第です。

あくまで「イギリスにしては…」という程度の違和感で、「そういえばウォッチドッグスには子供が出てこないよね」と同じくらいの感想です。

もしかしたら『ウォッチドッグス レギオン』のロンドンは脂肪吸引技術が発達して脱肥満したのかもしれない。

まとめ

楽しみにしていた『ウォッチドッグス レギオン』のロンドンは再現度が高く、景色を眺めて建物を見て回るだけでもコロナ禍で海外渡航ができない今は気分が上がります。

ゲームシステムについては私も賛否両論あるのと、バグ頻発でため息が止まらなくなるときがありますが、マップに関しては満足です。

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