【アラン・ウェイク2】底知れないストーリー。前作未プレイ、ホラー苦手でクリアした感想(ネタバレなし)

アランウェイク2 感想

『アラン・ウェイク2』の感想。

前作未プレイなので考察できるほどの理解はないし、重要なキーワードも取りこぼしてるんだろうと承知しつつも、

『アラン・ウェイク2』すごいゲームだった!

ということをネタバレなしで書いてみた。

ちなみに、なぜ私が前作未プレイなのにいきなり『アラン・ウェイク2』を遊んだのかというと、The Game Awards 2023に『バルダーズ・ゲート3』と並んで最多ノミネートされていたので「きっとおもしろいに違いない」という、それだけの理由。

全体的な感想

ゲームやってるんだけど海外ドラマ見て映画見て小説を読んだ感覚になり、作品内現実と作品内フィクションの境目がわけわからなくなる体験をし、さらにゲーム・オブ・ザ・イヤーのオールド・ゴッズ・オブ・アースガルズのライブ映像をYouTubeで見るとさらに現実とフィクションの境目がわからなくなる…

という、まこと不思議なゲーム体験だった。

(オールド・ゴッズ・オブ・アースガルズは、ゲームに登場するバンド)

ストーリー重視派や考察にズブズブ沼りたい人におすすめ。

前作のことを分かっていなくても、小説家の書いた小説が現実を書き換えていく筋書きは誰がどこまで「現実」でどこからが「フィクション」なのか考えざるを得ないし、特殊な力を持つ人間がそんな軽々しく他人の人生に影響を与えていいのかという倫理的な観点からいろいろ考えてもいい。

まあとにかく常に「なんなんだこれは」と思いながら遊ぶのが楽しい。

画像
突然の実写パート

ただ、サバイバルホラー要素は乗り越えないといけない。

私の初見ゲームプレイ体験をざっくり表すと、以下のようになる。

序盤:戦いにくいし、走りにくいし、画面暗い。マップを5秒に1回のペースで見ないと行きたい方向に行ってるのかさえ分からない。ボスにうしろからいきなり襲われて涙目。もうやめたい気持ちと気になる出来事が多すぎて先が気になる気持ちがせめぎあう

中盤:じいさんのヘビメタBGMで儀式激アツからの狂気のミュージカル。演出の振れ幅に圧倒される

画像
芸術も大事な要素なので

エンディング:あまりのストーリーの作り込みに言葉が出なくなる

強くてニューゲーム:エンディングからつながってることに衝撃を受ける


戦闘や恐怖のストレスを越えた先で迎えたエンディングは、理解できない部分がいくらあろうともアラン・ウェイクという作品の深さ多層さ複雑さの一端をはっきりと認識させる瞬間。人間の想像力ってすごい。

2周目は途中までやったけど、アランが毎度あのタイミングで額をさわる理由とか、なにをきっかけに記憶を思い出すのとか、細かい描写に気づけるのが嬉しい。

キャラクターの名前、劇中歌の歌詞、行く先々の手掛かり、セリフにモノローグ、ぜんぶに意味が込められてるのが今なら分かる。理解できたかは別にしても。

難点はサバイバルアクション

ストーリーの作り込みは最上級ではあるものの、このゲーム最大の難関はサバイバルホラーにある。

ホラーやアクションや戦闘を乗り越えないとクリアできない。

一番低い難易度にしても、サードパーソンシューティングの戦闘は慣れるまでは難しかった。

画像
敵が出る場所は基本的に暗い

やさしい難易度って、なにも考えずボタンを連打して一発でも攻撃が当たれば敵が倒せるイメージなんだけど(イメージっていうか理想)、本作のイージーモードはそんなことはなく。

「戦闘が容易になるため、探索と謎解きに集中できます」って書いてあったけど、本当か…? と思うことがしばしば。

ちゃんと敵をターゲットしないと攻撃は当たらない。そんなのは当たり前とはいえ、その敵の動きがけっこう素早かったり、弱点を狙わないと一撃で倒せなかったりで、初見のホラーゲームにおびえながらだとけっこう苦労する。

弾薬の数には限りがあるから、足りなくなったらどうなるんだろう。

ということで、戦闘アクションはおもしろくなかったけど、召喚の儀式の戦闘シーンだけは演出が熱すぎて最高にかっこよかったので、それで帳消しになってる。

ホラーは耐えられた

私はホラー苦手人間。

いきなり大きな音でびっくりさせられるとか、追いかけられたりとかが恐怖。

『アラン・ウェイク2』に関しては、「ヒィッ」となる場面は各チャプターで数回ありつつも耐えられる範囲だった。

まったく怖くないということはないけど、もう無理というほどではない。

敵が近くにいるとBGMがおどろおどろしくなる仕様はありがたかった。


ホラーは苦手だけど、進めていくうちにこのゲームのストーリーとホラーが切っても切れない関係にあることが分かってきたので、だんだん「しょうがないな。怖いけど」と受け入れるようになった。

ホラーは犠牲者と怪物しか登場しないもの。誰かが救われるなら相応の犠牲が用意されねばならない。救いたい対象が多ければ多いほど犠牲は大きくなくてはならない。

そういうものらしい。

ホラー作品に詳しければ、ホラーのテンプレや様式美が分かってもっと楽しめるんだろうなと思った。

1作目をやっていなくても一応大丈夫

公式サイトには『アラン・ウェイク2』からプレイしても問題ないと書かれてあり、半分はその通り。

本作の主人公はアラン・ウェイクとサーガ・アンダーソンのふたりで、サーガは今作が初登場。

サーガ編からゲームが始まることが、前作未プレイ者にとって大きな意義がある。

画像
ケイシー(左)とサーガ(右)が同時にコーヒーを飲むの超好き

プレイヤーと同じように、アラン・ウェイクのことをよく知らないキャラクターを操作し、アランの小説に巻き込まれる形で関わっていくことになったサーガを通じて真相を追うからこそ、前作の知識がなくてもとっつきやすいのだと思う。

全編アランだったら新規プレイヤーはたぶんストーリーについていけない。

前作とのつながりは必須知識になるし、2で登場するアランはアランであるときもあればアランでないときもあり、さらに自分がなにをしてるか分かっているアランと自分がなにをしてるか分かってないアランが存在していて非常にややこしい。


背景もぜんぜん調べないままプレイして、これは前作やってたほうがいいなと思う部分は多々あったものの、なにも知らないからこそ味わえる体験もある。

クリア後におすすめな考察解説

前作未プレイでこのゲームを可能な限り楽しむなら、クリア後に前作をプレイするか、解説を見るのが重要。

クリア後、大いに参考になったのは、こちらの記事。

【全方位考察15万字】闇と鏡像が織りなす湖の螺旋――ALAN WAKE 2クリア記念解説【ネタバレMAX注意】|カピ子

【全方位考察15万字】闇と鏡像が織りなす湖の螺旋――ALAN WAKE 2クリア記念解説【ネタバレMAX注意】|カピ子

はじめに(ネタバレなし) ALAN WAKE2のストアページ概要に 「悪夢の世界に囚われ」云々 とありましたが、 一介のプレイヤーの筆者も数週間の間 その表現に外れることなく、 文字通り取り憑かれていました。 その結果がこの文庫本一冊分を 上回るほどの分量をになってしまった 長大な解説考察です。 公開日時点で 合計文字数が15万ほどのボリュームとなり、 なかなか意味不明な数字です。 おっと…… 他のゲームにおいて、 やり込みとはトロフィーコンプリートを 目指してゲーム的に高難度な何かに 励むことを指すところ、 「ALAN WAKE」シリーズにおいてのそれは 果てしない考察の

15万字のすさまじい考察解説記事で、1作目、2作目のストーリーの詳しい紹介はもちろん、ティムの調査ボードやサーガの父親のことなどゲーム内で疑問に思ったあれこれが抜かりなく説明されていて感謝しかない。

2作目から始めたからこそ、アラン・ウェイクの世界はこんなに深く多重構造な世界だったのかと、空の向こうに宇宙があることを知ったときのような驚きと感激を味わえたように思う。

ちょうどDLCもリリースされるし、しばらく楽しめそう。


▼ ホラー苦手な人のアラン・ウェイク2攻略

Next Post Previous Post