【ライブアライブ】オリジナル版は未プレイのクリア後感想
HD-2Dリメイク版『ライブアライブ』の感想。
オリジナル版は未プレイで、今回PSでリメイク版が発売されたので遊んでみました。
1994年の発売当時に遊んでいたらもっと楽しかっただろうな、と思います。
(たぶん当時も『ライブアライブ』の存在は知っていたけど、FF6に夢中で興味がなかった)
全体的な感想
全体的な感想としては、つまらなくはないけどすごく楽しいわけでもない、という感じでした。
個人的に思ったことを簡単に。
▼ よかった点
- 8つのシナリオごとに全然違うゲームが体験できる
- 功夫編、幕末編、最終編などは繰り返し遊びたくなる作りになっている
- グラフィックがきれいで見やすい
- セリフはあっさりめなものの、「人間とは」「生きる目的とは」を問いかけてくる奥深さがある
- 戦闘が簡単
- 初見でも30時間くらいでクリアできる
▼ いまいちな点
- シナリオによって楽しさに差がある&好みが別れる
- 他作品のオマージュが多いので、いたるところで「どこかで見たことある」感がする
- UIが『オクトパストラベラー2』にそっくりで新鮮味がない(このUIは見やすいのでUI自体は全然問題ない)
- 主人公の名前を決められるため、セリフの名前部分だけ代名詞になったりボイスが抜けたりする違和感が半端ない
- 最終編が仲間と武器を集めてラスボスを倒すだけで少々物足りない
1994年のゲームとしてはチャレンジングな内容なので、オリジナル版を遊んだ人の評価が高いのは十分に理解できます。
私は遊ぶのが遅すぎた。
以下、SF → 西部 → 現代 → 功夫 → 近未来 → 原始 → 幕末 → 中世の順で感想(体験版でSF、西部、幕末を遊んでからのクリア順)。
最終編は勢いで終わらせたのであまり記憶がない。
これより先、ネタバレあり。
SF編
ロボットとツンデレ伍長のハートフルサバイバルホラー。
SF編は主人公がロボット、戦闘が最後の最後だけ、という特殊なシナリオ。
宇宙船内で事件が連続し、これはSFミステリかなと思いきや、実際のところはベヒーモスに追いかけられたり待ち伏せされたりするホラーだった。
ゲームではベヒーモスの詳細は明かされなかったけど、人体に何らかの影響を及ぼす可能性があるらしい。
カークの生命維持装置はAIのしわざだとして、レイチェルの様子がおかしくなったのは単にカークが死んだからというよりベヒーモスの影響なのだろうか。
カトゥーと伍長は不安定な部分を見せつつも人間性を保った。だから生き残れたのかもしれない。
終盤のニセキューブが現れるところ。
「本物のキューブなら僕が最初になんて名前を付けようとしたか覚えてるよね?」とカトゥーに言われて名前を入力するところ。
何の迷いもなく「マル」と入力して伍長に撃たれ、ゲームオーバーになったのはいい思い出。
伍長はよかったし、AIやロボットなど興味深い要素はあったものの、未知の生命体に追いかけられるのは『エイリアン』だし、宇宙船のAIが乗組員を殺すのは『2001年宇宙の旅』だし、新鮮味に欠けるという印象はある。
だからこそ、海外の名作映画など見たことなかった1994年に遊んでみたかったなと。
それにしても、「ロボットを作るのは僕にとってほんの遊びだった」と無邪気に話すカトゥーさんの作ったキューブが、高性能な戦闘機能を備えている有能ロボットだとボス戦で判明するのは最高でした。
西部編
サンダウンはマッドと幸せに生きてください。
西部編は、時間内にできる限りの罠を仕掛けるという、パズル要素のあるストーリー。
ただ、リメイク版はアイテムの場所が光っているので、オリジナル版に比べると相当難易度が低いんじゃないかという気がした。
総当たりで建物を探索し、アイテムを拾い、あとは適当に罠を仕掛けてもらうだけで何とかなるので。
サンダウンはなかなか奥深いし、マッドをどうするか決められるのはおもしろいけど、西部編自体は特に楽しくなかった。
しかし、最終編のサンダウンは強い。特攻150のハリケンショットが強すぎる。
ラスボスの7連戦で999を出して、サンダウンだけ1ターンで戦闘が終わった(レベルは21)。
現代編
体育会系青魔道士。
現代編は格ゲーっぽい、戦闘のみのストーリー。それストーリーって言うのか?
あっさり終わるので、主人公に対しては「ただ最強になりたいだけの人」っていう印象しか残らなかったが。
最終編でも高原日勝はそんな感じの言動しかしていなかったので(牢屋で筋トレなど)、逆におもしろかった。
功夫編
主人公交代劇。
功夫編が一番よかった。
老いた老師が下山して後継者を探す。3人の身寄りのない弟子に修行をつける。奥義の継承者は誰に?
からの、一番ひいきした弟子のみが生き残ると言う残酷なシナリオ。そして主人公交代。
この筋書きでおもしろくならないわけがない。
戦闘がほどよい多さで、ラスボスもほどよく強いので、ゲームバランスもよし。
誰を後継者にするかで主役が変わるので、繰り返し遊びたくなる仕掛けもバッチリ。
ただ、ゲームが製作された時代の都合上、主人公のジェンダーバランスが崩壊しており、そのためにレイの存在価値が異様なまでに高くなってしまうのが唯一残念なところ。
私も当然のようにレイを選択。
戦闘面で高性能なので、最終編の主人公もレイにした。
エンディングで、レイが道場の先生やっているのを見たときは「あのレイちゃんが…」と感慨深かった。
近未来編
無性にたい焼きが食べたくなる昭和ファンタジーなAKIRA。
近未来編、それはたい焼きが1個10,000円で売れる世界。これがバブル期ってやつなのか。知らんけど。
古代バビロニアの巨大ロボ「ブリキ大王」の圧倒的存在感。研究所の液体人間計画や、寺のカルトのやばみ。アキラと無法松の関係。
おもしろい要素は全シナリオで一番かもしれない。
が、個人的にゲームで昭和の雰囲気を味わうことに興味がなかったので、そこまで楽しいとは思わず。これは好みの問題。
アキラが心を読むたびに数秒間エフェクトが入るのも飽きる。
それにしても、なんで近未来編が体験版に入っていなかったんだろうと不思議でならない。
戦闘がそれなりにあって、仲間が加入して、ゲームのシステムが一番理解できそうなシナリオで、SF編や西部編より初心者に向いていそうなのに。
原始編
声優の使い方がおかしい。
原始編はセリフがなく、ジェスチャーやアイコンや息づかいでコミュニケーションしているのが特徴。
斬新な試みではあるものの、セリフがない=セリフがなくても理解できる程度のストーリーしかないということなので、まあ、つまらないです。
敵対していたざきと最後に共闘したときは、声だけじゃなく行動もベジータで笑った。
主人公が少年で相棒がゴリラなのは、野性的で原始的な舞台でのボーイミーツガールで性的な要素を出さないためかなとマジメに考えていたら、全然関係なかった。
ポゴたちがおーでぃーおーに勝ったから人間が繁栄したようなので、エンディングで赤ちゃんが出てくるのは妥当なのかも。
幕末編
迷路のような敷地内で、不殺や100人斬りなどやりこみ要素てんこ盛り。
幕末編はシナリオはシンプルだけど、ゲーム性や小ネタの量は全シナリオで一番。
さすがに初回プレイでやり込みを考える余裕はなく、中途半端な60人斬りで終わった。
中世編
これが噂の衝撃展開か~!
大人になりいろいろなフィクションを見てきた今だと「ああ、闇落ちね」くらいの感想になるけど、1994年当時、まだ小さかった私が中世編の例のシーンを見たらさぞ大きなショックを受けただろう。
友人の嫉妬と裏切りから魔王と呼ばれ、待たせすぎた伴侶には失望され、自分を導いてくれた偉大な先輩たちはもういない。
さっきまで主人公を英雄と呼んでいた人たちが、次々と魔王呼ばわりしてくるストレス。
プレイヤーに不快感を与えるのを辞さないシナリオは称賛したい。
しかし、ルクレチア城の人たちが秒で主人公を魔王呼ばわりするのは、ちょっと頭が悪すぎるというか、そりゃこの国滅びるよなと。
オルステッドはこんな国に見切りを付けて、どこか遠くで新しい人生を探せばよかったのに。by薄情な私。
憎しみで魔王の道を選んだのはオルステッドだけど、魔王を作ったのは周りの人間なんだよなあ。
ストレイボウの「あの世で俺に詫び続けろオルステッド」は名言。
だからこそ主人公の名前がボイスつきで呼ばれない仕様なのが残念すぎる。
全編ボイスつきなら名前は固定にすればいいのにと、FF10と同じようなことを思った。
おわりに
リメイクは、タイトルは知っているけど遊んだことのない作品を遊ぶ機会になるので、ありがたいです。
きっと近いうちにHD-2Dリメイクの『クロノ・トリガー』が出るんだろうなあと、『ライブアライブ』を遊びながら思いました。
私はFFTとサガフロ2のリメイクを所望します。
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Gosho Aoyama, Yoshihide Fujiwara, Osamu Ishiwata, Yoshinori Kobayashi, Ryouji Minagawa, Kazuhiko Shimamoto, Yumi Tamura
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