【ライフイズストレンジ2】クリア後の感想② エンディング感想、「母親」に対する考え

2020/06/07

ゲーム ライフイズストレンジ

t f B! P L

「Life is Strange 2(ライフ イズ ストレンジ 2)」の感想の続きです。

本記事ではエンディングの感想と、カレンについてと、2周目で印象的だった点をまとめました。

いきなりエンディングの感想なので、プレイ予定のある方はご注意ください。

前回の記事:【ライフイズストレンジ2】クリア後の感想① 概要とストーリー振り返り(フィンルート)

※以下、ネタバレあり



自己犠牲の交代

1周目で迎えたエンディングは「離別」


ALL 7 ENDINGS - Episode 5 - Life is Strange 2

ショーンが人を傷つけない方向でダニエルを教育していたため、1周目のラストでダニエルは自由より誰も傷つけないことを優先する子になっていた。

よって、自首ではなく国境越えを選んだことでエンディングは「離別」に。

今までショーンはダニエル最優先で、ショーンの行動や目的は全てダニエルを守るためのものだった。

ダニエルの身の安全が保証されるという点で考えれば、ショーンの自首が最適解なのだろう。

しかし(プレイヤーの希望で)最後の最後に「やっぱり自由になりたい」と決意したショーン。

道徳心の高い状態のダニエルは、兄の急な心変わりにびっくりしたと思う。

ショーンが行きたいなら行かせてあげよう、でも自分は誰かを傷つけてまで自由を手に入れたいと思わない、だからダニエルは「僕は行けない」と車を降りてショーンが国境を越えるのを見届けた。

逃亡中ずっと献身的に弟に尽くしたショーンが、最後に自分のわがままを言い、弟はそれに応えた。

おそらくダニエルが人を傷つけるために力を使ったのは、これが最後なのだろう。

ショーンは自由に、ダニエルは不自由に

ショーンは弟と離れる代わりに自由を手に入れた。

ダニエルは兄を自由にする代わりに不自由な生活を受け入れた。

ダニエルが不自由な生活をしていると私が考えた理由は2つある。

1つめは、ビーバークリークの生活はダニエルにとって退屈なのではないかと思ったから。

ビーバークリークは田舎である。

クリスが隣に住んでいるとはいえ、家の近くには何もなく娯楽に乏しい環境だ。

それにクレアは規律に厳しいので、それまでの暮らしと比べてダニエルは我慢を強いられる生活になる。

ダニエルが不自由と考えるもう1つの理由は、ダニエルの左足首に監視装置がついていると思われるから。

ショーンが逃亡したことで、おそらくダニエルはFBIに居場所を監視されることになったのだろう。

監視装置がついている限り、ダニエルはショーンに会いに行くことはできない。

だから国境での事件から6年たっても2人は手紙でしか連絡を取れないでいる。

(アメリカとメキシコは犯罪人引渡し条約を結んでいるはずだからショーンを捕まえようと思えば捕まえられるんじゃないかと思ったけど、そのへんはよく分からなかった)

ショーンが捕まることなく自由にメキシコで暮らせるよう、ダニエルが自分を犠牲にしてショーンを守っているというのが、今までのもろもろのクソガキぶりを思い出すと泣ける。

兄弟狼のイラスト

「離別」の最後に、ダニエルが庭に彫ったと思われる兄弟狼の絵が出てくる。

兄弟狼のイラストはゲームのローディング画面にも出てくるが、ローディング画面の兄弟狼は兄狼が弟狼を追っているのに対し、「離別」の兄弟狼は弟狼が兄狼を追っている。

つまりショーン視点の本編で使われている兄弟狼は弟を見守る兄で、ダニエル視点のエンディングで登場する兄弟狼は兄の背中を追う弟という構図になっているのだ。

ゲーム中、あれこれダニエルのために選択しては勝手なことをされ、最終的にはメキシコに来ることも拒んだダニエルだが、今も今までもダニエルはちゃんとショーンの背中を見ていたことをダニエルの描いた兄弟狼は表している。

そう思った瞬間、このさりげない演出がゲーム中最大の涙腺崩壊スポットになった。

ショーンは自由を手に入れたか

1周目はフィンルートだったので、ショーンからの手紙にはフィンと仲良く写っている写真が同封されていた。

プエルト・ロボスでダニエルがいつかショーンとフィンに再会できたらさぞ楽しいだろう。

ショーンは母親が失踪して以来、遊びたいのを我慢しながらずっとダニエルの面倒を見てきた。

逃亡生活が始まったのも左目を失ったのも言ってしまえば原因はダニエルである。

(そんなダニエルを育てたのは~とかダニエルを生んだのは~とか言い出すとキリがないのでとりあえずダニエルのせいということにしておく)

ショーンはダニエルと別れたことで、ようやく「ダニエルのため」の人生ではなく、真に自分のために生きられる自由な人生を手に入れた。

まあ、ショーンのことなので毎日ダニエルのこと考えて国境を越えたことを後悔するのかもしれないけど。

「俺が弟を守らなきゃ」というのはある種の呪縛で、その呪縛をダニエルが解放してくれたことにショーンが気づいてようやくショーンの新しい人生は始まるのだろう。

ショーンは意図してダニエルを置いていったわけではないが、自由のために家族を捨てて新しい生活を手に入れた、というのが母親のカレンのたどった道と同じなのは皮肉すぎる。

自由とは誰かの不自由の上に成り立つのだなと痛感した。

「離別」は他のエンディングに比べてあっさりしているように見えるが、ショーンが写真でしか出てこない分いろいろ考えてみると奥深いなと思った。

その他のエンディング感想

エンディングを見終わってすぐに自首ルートで「贖罪」を見て、動画サイトで他のエンディングも全部見た。

「一匹狼」のダニエルはスペイン語が分からない状態でどうやって6年間サバイバルしたのか非常に気になると思いつつ、やっぱり自分でゲームを進めて迎えたエンディングが一番響いた。


母親のあるべき姿に疑問を突きつけるカレン

2人の息子を捨てて自由を選んだカレン。

最初はいい印象ではなかったが、話を聞いているうちに価値観を揺さぶられるようなキャラクターだった。

ショーンがずっと母親に対して否定的な見方をしていたことと、自分の中に「親が作りたくて作った子供を放棄するのはどうなの?」という考えがあったことから、モーテルでカレンの話を聞いた時はカレンの考え方にいまいち納得していなかった。

でも世の中には「やってみたら思っていたのと違った」ということが多い。

たとえ最初は望んで選んだことだとしても。

それが子供となると、途中で「やっぱやめた」と投げ出すことが許されない取り返しのつかない要素となる。

親が子供の人生に責任を持たないといけないのは分かるが、子育てが苦痛だったり合わなかったりした場合に途中でやめることも逃げることもできないというのは、一度しかない人生においてあまりにも残酷ではないか。

と、アリゾナのキャンプ「アウェイ」で過ごすうちに思った。

映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』にも、自分には夢があったけど夫の希望で子供を生んで今も後悔していると話す女性がいたことを思い出す。

子供がいることで自分らしく生きられず不幸である、という女性は表に出てこないだけで一定数いるのだろう、と認識するようになった。

そして、ショーンとダニエルを放置して逃げたのが父親だったら、ここまで根深い話にはならなかったと気づく。

子供を捨てる父親に対しては、子供を捨てる母親ほど厳しい視線は向けられない。

「子供は母親と一緒にいるべき」だとか「子供の成長=母親の幸せ」といった社会に作られた図式があるため、子育てに否定的な母親への風当たりは冷たい。

親としての責任は男性も女性も対等なはずなのに、おかしな話である。

カレンは自分の行いをショーンとダニエルに謝罪しつつ、母親のあるべき姿への疑問を私に突きつけた。

ショーンとカレンに限らず、ブロディもクリスもキャシディもフィンもジェイコブも親子関係は複雑。

「ライフイズストレンジ2」には両親と子供がそろって仲良く暮らす家庭は登場しない。

家族のあり方について考えることができるのも「ライフイズストレンジ2」の秀逸さだと思う。


2周目でおもしろかったこと

1周目が終わった直後は2周目をやるのはしんどいなと思ったが、気づいたらもう一度エピソード1から遊んでいた。

以下、1周目とは違うことを選んで印象的だった点をざっと紹介したい。

エピソード1

ガレージで父親にハグしないと:

  • ショーンがブロディとアルカディア・ベイを見ながら話している時、「最後に会った時にハグしてあげられなかった」と後悔する
  • エピソード4で夢の中の父親がハグされなかったことを言及する

ガソリンスタンドのクレーンゲームをダニエルに3回くらいやらせるとパワー・ベアのおもちゃが取れ、所持品に加わる。

エピソード2

ダニエルがショーンのリュックに描いた落書きがマッシュルームになった(前回はクソの絵だった…)。

ダニエルが動物を殺してマッシュルームを無事に埋葬。

マッシュルームは天国でお父さんと一緒にいるかなというダニエルの問いかけに「そんなものない」と答えると:

  • クレアがお祈りしましょうと言った時にダニエルが「天国はないんでしょ?」とぶっ込む。そしてクレアがうちでは毎晩お祈りすると怒る
  • エピソード3のキャンプファイアでジェイコブが神様の啓示でもない限り家には戻らないかもと言った時にダニエルが「バカじゃないの」と突っ込む(でもエピソード4ではカルト宗教にバッチリ洗脳される)

エピソード3

キャシディルートをやってみたけど、フィンルートのほうが事あるごとにショーンがフィンとの関係を思い出すので楽しいと思った。

エピソード4

病院でジョーイをうしろから殴って脱走したら心がめっちゃ痛んだ。

(ジョーイを説得して助けてもらう選択肢はジョーイを呼んで「ダニエルの居場所が分かった」→「怖い」→「ごめん」らしい。どっちにしろジョーイを殴るんだが。参考動画:After You've Played - Life is Strange 2

教会のラスト。ショーンが銃でリスベスにトドメを刺してみたけど、その後の会話は大きく変わらなかった。ショーンが自分で人を殺す唯一のシーンなのに。

エピソード5

カレンとハグしない場合、別れ際の会話があっさりするだけ。

選んだ選択肢によってセリフやダニエルの態度が全然違うので、2周目も新鮮な気持ちで遊べた。

おわりに

以上、「ライフ イズ ストレンジ 2」の感想でした。

ゲームを始めた頃に「話は重いしダニエルはムカつくし、あんまりおもしろくないかも」と思っていたのがウソのようです。

ゲームを通して人の幸せとか家族のあり方とか、いろいろ考える機会を与えられました。

スクウェア・エニックス

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プロフィール


Seina

イギリス滞在経験あり。元フォワーダー業界勤務。吹奏楽経験者。英検1級取得者。ドラクエでひらがなを覚え、FFと青春を過ごしたゲーマー。

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