【ライフイズストレンジ2】クリア後の感想① 概要とストーリー振り返り(フィンルート)
PS4のゲーム「Life is Strange 2(ライフ イズ ストレンジ 2)」をクリアしたので感想をまとめました。
本記事では前作未プレイ・ネット検索なしで遊んだ1周目を振り返ります。
実は「1作目の評判がよかったから始めたけど、あまり楽しくないな」と最初のうちは思っていたのですが、話が進むにつれて作品の奥深さに気づき、最終的には2周しました。
※途中からネタバレ全開です
ゲームのネタバレなし紹介
ゲームの概要
主人公はシアトルに住むメキシコ系アメリカ人の兄弟、16歳のショーンと9歳のダニエル。
とある事件をきっかけに弟のダニエルが超能力を使えることが判明し、何やかんやあって2人の逃亡生活が始まる。
プレイヤーは兄ショーンを操作し、ダニエルの力をどのように使わせるのか、ダニエルをどのように教育したいか、いろいろ考え選択しながら旅をする。
ゲームは基本的にショーンを操作して周りのものを調べたり人と会話したり、選択肢を選んでいくだけで進む。
同じように選択肢を選ぶことでストーリーが進む「Detroit: Become Human」と違って、本作にアクション要素はない。
また、「Detroit: Become Human」ほどのストーリー分岐はない(あれは異常。褒め言葉)。
どの選択肢を選んでも話の流れは変わらない代わりに、プレイヤーの選択次第でその後の会話や弟の挙動もろもろが細かく変化する。
未プレイの方向け情報
クリアまでのプレイ時間は15時間前後。トロコンは簡単で、ストーリー中に特定の行動をしたり物を集めたりするだけ。
クリア後にトロフィーを集めるのも簡単だし、調べながらやれば1周目でプラチナトロフィーを取ることもできる。
個人的にはかなり好きな作品だが、以下に当てはまる方には向かないだろうと思ったゲームです。
- 映画やドラマ鑑賞が好きではない
- 理不尽の連続に耐えられない
- 言うことを聞かない子供が苦手
- エンディングはみんな幸せなハッピーエンドに限る
- レベル上げがないゲームはゲームじゃない
これより先ネタバレあり。
プレイ予定のある方はゲームを終えてから読んでくださると嬉しいです。
エピソード1、2:ダニエルにうんざり
冒頭から人種差別問題を目の当たりにする
ゲーム冒頭、平和にパーティーの準備をしていたと思いきや、弟ダニエルが隣の家に住む愛国主義者の白人とケンカになり、父親が警察に殺される急展開になって面食らう。丸腰の市民が警察官に殺されるの、タイムリーすぎる(ジョージ・フロイドさんの件)。
ショーンたちはメキシコ系アメリカ人。
もしショーンたちが白人だったら、あるいはケンカになった隣人が白人ではなかったら、通りがかった警察はショーンの父親エステバンに発砲しなかった可能性がある。
アメリカで警察官に殺された人数を人種別の人口比で見ると、最も多いのが黒人で、その次に多いのはヒスパニックだ。
参考サイト:Mapping Police Violence
武器を持っていない父親が警察に撃たれたのも理不尽だが、それが人種への偏見も関係していたとしたらなおさら理不尽である。
ショーンに起きた出来事と最近の世界情勢が相まって、ゲーム開始早々に人種差別問題や警察官による暴力の理不尽さを感じた。
(一方で、銃社会で警察官やるのって日本の比じゃないくらい危険な仕事なんだろうなとも思う)
その他のエピソード1と2の振り返り
ガソリンスタンドでハンクに監禁された後、テントをかっぱらって逃げる(→ ダニエルがブロディのものを盗む)。序盤はとにかくショーンのルールどおり、ダニエルの力は他人に知られちゃいけない、極力使っちゃいけないと思って、ライラとは一切連絡を取らず、クリスには本当のことを言わず(→ クリスはパトカーにはねられる)、スティーブンにも打ち明けず(→ スティーブンは足をケガする)、他人と積極的に関わらないようにしていた。
もちろんマッシュルームは埋葬していない。
あらゆることをダニエルのためにやったつもりなのに、ダニエルには嫌われていく一方。
序盤の「あまり楽しくないな」の正体はショーンの言うことを聞かないダニエルの相手だったと言っていい。
(何が起きるか分かっている2周目は、そこまでダニエルの態度は気にならなかったけど)
エピソード3:気づいたらフィンルート
ダニエルのナイフ投げのイカサマにぶん殴りたくなるも、実際そんなことしたらスーパーパワーで吹っ飛ばされるのが容易に想像できて、超能力を持てる者と持たざる者の圧倒的な格差を感じた。力のある者への教育は大事。
能力者への教育を怠った結果はAmazon Primeのドラマ『The Boys(ザ・ボーイズ)』で腐るほど見られる。
さて、自分も小さい頃は親に幾度となくクソガキと思われていたに違いないのだが、そんな苦い過去はフタをして棚に上げ、兄貴に反抗しフィンに懐くダニエルにイライラ。
フィンはダニエルの人生に何の責任もないから、ダニエルの好きなようにさせているに過ぎない。
いつぞや姪っ子ができた友人がこう話していたよ。
「姪っ子は最高。自分の子供じゃないから無責任にかわいがれる。何でも買ってあげたくなっちゃう」ってね。
既にダニエルとは十分に険悪だったので、キャンプファイアを囲む会で弟にはテントに帰ってもらい、ボサボサの髪の毛をイケイケにしてもらう。
攻めた髪型だけど全然ショーンに似合ってない!
明日は給料日イエーイと話している段階で嫌な予感はしたが、ダニエルのせいで給料がもらえない上に農園をクビになるとは。
ゲームシステム上は、ショーンの振る舞いでいいダニエルになるか悪いダニエルになるか決まることになっている。
だがしかしストーリー上のダニエルはまごう事なきクソガキである。
自分の心がダニエルによって荒く揺さぶられているのは、きっと制作側の狙いどおりなのだろう。
その後、キャンプ仲間にダニエルの力が知られたことで、人のためになるならダニエルの力を隠さなくてもよいではないか、と開き直る自分。
その直後にやったのは強盗に協力することだった。
いや、フィンに強盗の話を持ちかけられた時はゲーム中で一番悩んだんだけど。
ダニエルとメキシコに行くならお金いるよな~、移動費だけじゃなくて、メキシコに着いてからの生活費もいるよね、カネは多ければ多いほどいいよな、と悩みに悩んで強盗に同意した。
そしてフィンにアプローチされたので成りゆきで「俺も同じ気持ち」と答えフィンとキスする。
キャシディと仲良くなる気満々で、スケッチだってキャシディを選んだのに、どうしてこうなった。
(髪を切ってもらった後フィンは性別より人を見ると話していたし、ショーンが「いい男もいるけど…」と答えた後フィンはハンナのお誘いを断っていたし、フラグはエピソード2で会った時からちょいちょいあった)
レッツ銀行強盗でフィンとダニエルとメリル邸に忍び込むも、金庫にたどり着く前にメリルに見つかる。
メリルに銃を向けられ、これ何もしないとフィンが死ぬやつだという直感でダニエルの力に頼り、フィン生存。
ファーストキスの数時間後に相手が目の前で射殺されるというトラウマをショーンが抱えることにならなくて本当によかった。
ところで、海外の人が投稿した動画を見ていたら、シャワーに向かうハンナや湖やテントでのキャシディの上半身は裸だった。
エピソード4:立つんだショーン
ショーンの左目失明はショックだった。病室でFBI捜査官の置いていったフィンの写真を見たショーンが「会いたい」とつぶやく。
フィンを描いたスケッチのとこにも「会いたいよ」と書いてあった。
あんな目に遭ってもまだフィンに会いたいらしいショーン。
無理やり外したバスルームの手すりで警備員を殴って病院を脱走する。
脱出中に再会したフィンをショーンの気持ちに免じて許す。
するとフィンに「I love you so much.」やら「あの夜は特別だった」やら「Sweetie」やら甘い言葉をたくさん言われ、ショーンは切ない顔をする。
夢の中のドライブで、ジェンのことを聞いてくる父親にショーンは男とキスしたことを打ち明ける(そういう選択肢が出た)。
エステバンは驚きながらも「お前がいいならいいんじゃないか」と返す。
お父さんやさしいな。
夢から覚め、人種差別野郎に絡まれる。
ダニエルの私物を取り返そうとしてボコボコにされ、やつの指示したスペイン語を言わないでスペイン語で罵倒してボコボコにされ、歌を拒否してボコボコにされた。
ショーンのライフはゼロだからやめてくれ!
(2周目で違う回答をしたら1回も殴られなかったので、わざわざ全て殴られる回答したらしい)
灼熱の砂漠でチンタラ歩いていたら停まってくれたトラックが去ってしまった。
一体ショーンはヘイブン・ポイントに着くまで何時間歩いたのか…車でも1時間の距離だったらしいじゃん…。
教会でジェイコブの妹サラ・リーと出会い、ダニエルと再会し、リスベス牧師によるカルト宗教の洗脳を目の当たりにし、牧師の下っ端の男ニコラスに立ち向かって殴り倒されて(ショーンのライフは以下略)教会を追い出され、久々に会った母親カレンとモーテルへ。
ショーンは弟を守るために頑張っているけど、まだ16歳。
7歳の時に母親がいなくなったら自分だって寂しいはずなのに、それを我慢して父親を手伝ったり弟の世話をしたり、大変だっただろう。
ショーンの立場なら簡単にカレンを許せるものではないよなと思いつつ、和解する方向で進めた。
リスベス邸に向かう時、教会の外にいる信者に怪しまれないように振る舞うジェイコブをガン無視して先に進んだら信者に不審がられる。
リスベスの部屋をガサ入れ中にニコラスがやって来た際、カレンに頼らずクローゼットに隠れたらニコラスに見つかり、リスベスのもとへ連行される。
ショーンがニコラスに殴り倒されながら(ショーンのライフ…)俺はいい兄貴じゃなかった、お前を軽視して、危険な目に遭わせた、と語るシーンでは思わず、
「逆ー! ダニエルのせいでショーンが危険な目に遭ったんだよー!」
と心の中で叫んだ。
ショーンはベスト兄貴everだよ。
カルト宗教のリスベスは、ダニエルの力を使ってどいてもらった。
ちなみに、ジェイコブとの会話でショーンがフィンとのことに触れることはあるのかなと気になって何回かガサ入れシーンをやってみたところ、ジェイコブのファイルを読んだ時の選択肢で「何の罪?」を選ぶとさらっと「俺とフィンも罪に問われるのか」的なセリフが出てくるものの、それを聞いたジェイコブが特別な反応をすることはなかった。
エピソード5:アウェイから国境へ
ジェイコブがなけなしの貯金でサラに薬を買ったことを手紙で知り、ショーンのお金を分けてあげればよかったと軽く後悔する。トレイラーにはフィンからの手紙が。
「Hi sweetie」で始まり「I think about you more than you might believe」で終わるラブレターだった。
アーサーとスタンリーに望遠鏡を返した後、ダニエルが「あの2人がキスしてるの見た」と言うので「俺もフィンとキスした」と答えると、「そうなの?」とびっくりされつつも「フィンが好きなら教えてくれればよかったのに~」と返される。
散々ダニエルをクソガキ呼ばわりしたけど、ダニエルの社交性と柔軟性の高さはいいなと思っている。
アウェイを出発することになり、カレンへの手紙の宛名を「カレン」にしたら「気のない書き置き」判定に。
ずっとカレンって呼んでいたからカレンでいいじゃんと思ったのに。
でも「カレンへ」だと締めが「take care」で「母さんへ」だと締めが「love you」で、表現が違うんだよね。違いすぎる。
1作目をやっていないのでデイビッド関連のネタは全く分からず(一応1作目は買ってある)。
国境で自警団に邪魔され、留置所で人種差別および移民問題を目の当たりにする。
ダニエルと合流後、囚われのメキシコ人夫婦と自警団には何もせず(さっさと先に進んでしまった)、迫り来る警備員は時間切れでダニエルが吹っ飛ばす。
国境でFBIと国境警備隊に囲まれ、ショーンが涙ながらに「正しいと思うことに力を使え」とダニエルに訴えるのを尻目に、弟の力を利用して国境を強行突破する選択をチョイス。
しかしダニエルは国境突破に反対で、渋々車両を吹き飛ばして自分は投降し、ショーンだけメキシコに行くことに。
せっかくここまで来たのに、あと少しで自由になれるのに、というプレイヤーの欲と、「もう誰も傷つけたくない」というダニエルの気持ちが食い違ったようだ。
今までダニエルを守るために自分を犠牲にしてきたショーンが、ダニエルの犠牲によって自由になるエンディングが「離別」なんだなあとしみじみ感じたことなどを次の記事に書きました(あとカレンのこととか2周目のこととか)。
>>【ライフイズストレンジ2】クリア後の感想② エンディング感想、「母親」に対する考え