【サガフロ2リマスター】クセ強いけど、追加シナリオでさらに最高になった歴史群像劇
15年くらい前に初めて遊んだサガシリーズが『サガ フロンティア2』だった。
内容は9割忘れたものの、クリア当時に「なんてよくできたシナリオなんだ」と感動したことだけははっきりと覚えている。
リマスター版が出たら絶対やろう! と決めていたが、別のギュスターヴのゲーム(=エクスペディション33)にのめり込んで後回しになり、ようやくこちらのギュスターヴのゲームをクリアするに至る。
サガフロ2の魅力は最高級のシナリオだと改めて思ったし、リマスター版で遊びやすくなったので、もっと広まってほしい。
しかし、「サガって難しいんでしょ?」という世間のイメージをまったく損なわない、オリジナル版の不親切な部分はありのままに残っており、一度クリアしたはずの自分も戸惑う場面が多かった。
ということで、オリジナル版の記憶もサガシリーズの知識もあまりない者が、『サガ フロンティア2 リマスター』を遊びましたという視点で、ストーリーのネタバレなしで感想を書いていく。
表と裏の歴史が絡み合う群像劇
舞台は術が使えて当たり前の世界サンダイル。
術至上主義のフィニー王国に術不能者として生まれたギュスターヴ13世を中心とした出来事と、古代遺物を追うナイツ家の旅が年代順に描かれるのが『サガフロ2』のストーリー。

ギュスターヴ編は歴史年表に載るような表の歴史、ナイツ編は歴史に名を残さない者たちが多く活躍する裏の歴史と言える構成で、様々な人物の視点から物語を見ていくことになる。
ギュスターヴ編は戦闘のないシナリオが多い。
幼少期に「出来損ない」と罵られひねくれたギュスターヴが、支えとなる人々と関わり変わっていき、世界に大きな影響を与えていく。

物語が進むにつれ、政治的陰謀や後継者争いといった歴史らしい要素も色濃くなる。
ファイアブランドの悲劇や、首都を全区画歓楽街にできてしまうシナリオは、ゲーム史上屈指の名シーンでもある。

ナイツ編は冒険と戦闘が主体で、度重なるパーティメンバーの交代を経ながら、世代を超えて過去の因縁に立ち向かうという、どこかジョジョ味のある壮大な物語。

ナイツ編とギュスターヴ編がどう関わるのかも大きな見どころ。
歴史全体を俯瞰できるのはプレイヤーだけ、というのも本作の醍醐味だ。
人との出会いや別れが誰にどんな影響を与え、誰が誰の意思を継ぎ、歴史をどう変えたのか。登場人物たちが気づいていない、緻密で確かなつながりを発見していく楽しさがある。
30時間前後でクリアできる長さもよい。
セリフが少ないためイベントシーンは短くまとまり、ストーリーに興味がない人はサクサク進められ、興味がある人は語られなかった余白からいくらでも想像が膨らむ。
遊びやすくなったリマスター版
リマスター版の追加シナリオがとてもよい。
オリジナル版では、物語上あまりにも情報が少なく人間関係が分かりにくかった部分があったが、自然に組み込まれた追加シナリオによってきれいに補完された。

ケルヴィンとマリーの話はもちろん、ミーティア、プルミエール、グスタフあたりは関連人物とのつながりが鮮明になって嬉しい。

追加シナリオによって、出番の少なかったキャラの活躍が全体的に増え、ヴァンアーブルはストーリー内でちゃんと戦うようになった。一方で、もともと出番の多かったタイラーさんはさらに出番が増えた。
あえて曖昧な終わり方だったある場面にも、その後どうなったかを描くシナリオが追加されている。
賛否はあるのだろうけど、1999年のオリジナル版発売から26年越しに真実が明かされたという体験そのものが感慨深いなと思う。
ほかにも新要素はいくつかあるが、特に大きいのは成長能力継承。
シナリオに登場しないキャラのステータス成長分を別キャラに装備として上乗せできる機能で、最終パーティ以外のキャラ育成が無駄にならなくなった。

このゲーム、一度も育成していないキャラがいきなりひとりで敵だらけのエリアに放り込まれることがあるのだが、そのあたりは成長能力継承のおかげで臆せず進められるようになった。
戦闘の難易度はだいぶ下がったと思う。まあ、サウスマウンドトップの戦いには関係ねえんですけどね。
控えめに言って不親切なシステム
リマスターでシナリオ面が完全版となった今こそ、サガフロ2を遊ぶべき!
と全世界に叫びたいところだが、やっぱりサガなので、初見・久々のプレイヤーには分かりにくさが厚い壁になる。
初心者が何も調べず進めるのはわりとドMな行為なので、攻略を確認しながらプレイするのがおすすめ。
戦闘では、使いたい術に応じたアニマのある装備をつけないといけないとか、そもそも技を使うには閃かなければいけないとか、LPとはなんぞやとか、そういう基本的な説明すらないので。

戦闘はパーティバトルとデュエルがあり、「デュエルって何すりゃいいの?」となる人も多いはず。
私も忘れすぎていて、最初はどのコマンドを選べばいいのかさっぱり分からなかった。

さらに、本作の特徴である水彩画風のグラフィックはあたたかみがあってすばらしいが、立体感がないため「そこ通れるの?」がたびたび起きる。

シナリオ進行でも、攻略を見ないと行き詰まることがしばしばあり、結局クリアまでずっと『SaGa Frontier 2 wiki』を開きながら遊んでいた。
(画像が多くて初心者向きなのは神ゲー攻略だと思う)
だいたいのことは一度理解できれば大した問題ではなく、私も最初は「よく分からんからとりあえずクリアだけ目指そう」と思っていたが、気づいたら「閃きもいい感じだし(気のせい)、トロコンしようかな」になり、今では「リマスター版で追加された強化ボスも挑戦するか?」となっている。
おわりに
分かりにくさというネガティブな部分はあるものの、シナリオもキャラクターも秀逸で、育成も仕組みが分かれば楽しいのもあり、このリマスター版を遊んだことで私の一番好きなスクエニのゲームはサガフロ2になった(2025年現在)。
どんな偉業を成し遂げても人は無力で、いずれ死んでしまう。そして大切な人を失っても人生は続いていく。
そんな普遍的な事実と共に、登場人物たちはそれぞれ与えられた人生で全力を尽くし、役割を全うしていく。
限られた演出と、無駄のないセリフで描かれた力強く奥深い作品で、短い会話に詰め込まれた情報量が本当にすごい。
もし興味を持っている方がいたら、攻略サイトを見つつ、公式サイトの人物相関図はクリアするまで見ずに遊んでみてほしい。
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ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI
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