【FF4ピクセルリマスター版】「うわあ」芸人ギルバートのセリフに泣いた日(プレイ日記1)

FFIV ピクリマ版 感想 アイキャッチ

Steamでピクセルリマスター版『ファイナルファンタジーIV』を始めたので、久しぶりに遊ぶFF4プレイ日記を書いていきます。


FF4は1991年にスーパーファミコン版が発売され、その後プレステ、ワンダースワン、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS版が出て、さらに2008年には続編の『ファイナルファンタジーIV ジ・アフターイヤーズ -月の帰還-』が携帯アプリで配信されました。

私が遊んだのは、父が買ってきた初代スーファミ版の中古ソフト。

今回のピクセルリマスター版は、おそらく約30年ぶりに遊ぶFF4です(当時小学校低学年だったっけ、くらいの記憶)。

ノスタルジーにひたる程度には楽しめるだろうと軽い気持ちで始めたのだけれど。

大人になってから理解できること、感じるものがあって、かつて小学生だった私が「役立たず」とバカにしていたギルバートにこんなに感動する日が来たことにただただ驚いた。

ということで、スーファミ版との違いやら思い出やらを交えつつ、FF4ピクセルリマスター版のプレイ日記を始めます。

ストーリーのネタバレあり。

ピクセルリマスター版で変わったこと

最初にピクセルリマスター版で変わったことについて。

私が遊んだのはスーファミ版だけなので、ピクセルリマスター版はそれはそれは快適にプレイできるように進化していました。

目立つ変化は、

  • グラフィックと音楽がきれいになった
  • すべての場所で斜め移動ができる
  • 街やダンジョンではダッシュできる
  • 戦闘中にATBゲージが見える
  • 逃げてもギルを落とさない
  • オートバトルができる
  • 矢が消耗品ではなくなった
  • レベルアップに必要な経験値が減った(=レベルが上がりやすい)
  • アイテムの枠が増えた(昔はアイテムがすぐいっぱいになった)
  • 離脱キャラの装備が持ち物に入るようになった

といったところ。

ほかにも変更点多数。以前の移植ですでに変わっていた点もあるかも。

個人的にありがたい改善は、離脱キャラの装備が取り逃げされなくなったこと。

これによってボス戦直後に離脱するキャラを弱い装備にさせてからボスと戦う、という謎の手間がなくなりました。


グラフィックと音楽は、オリジナル版の雰囲気をしっかり残しつつ、古さを感じさせないようきれいに作り直してあります。

音楽に関しては、原曲が使われないと知ったときは残念に思いましたが、植松さんのコメントで当時は技術的な限界でできなかったことが今回表現できた(うろ覚え)というのを読んでからはリニューアルされた音楽を聞くのが楽しみになり、実際ゲームを始めてみるとオーケストラで再現された音楽がものすごくよかった。

エクストラのサウンドプレイヤーでいつでも聞き放題なのが最高。

それではギルバートについて話そう

FF4は「たたかう」の連打でもクリアできてしまうゲームではあるものの、序盤はリディア、テラ、ギルバートと物理攻撃がてんでダメなキャラクターのオンパレードでけっこう大変だった記憶がある。

けど、今回はそうでもなかった。

リディアにカイポで買った弓矢を装備させ、テラに水路で入手したアイスロッドを装備&戦闘中に使用させればそれなりの戦力に。

リディアが弓矢で戦う画像

ただ私、このときは矢が減らなくなった事実を知らず、「矢ってこんなに高かったっけ」と思いながらカイポで鉄の矢を10個買ったんですよね。

鉄の矢10個もいらんかった。

何はともあれ、惜しみなく矢が使えるのは大きく、聖なる矢とか序盤ではアンデッドに強力で本当に便利。


そんな感じで、セシル、リディア、テラの3人パーティは案外苦労しなかったので、目下の関心は「ギルバートはピクセルリマスター版で遊びやすくなっただろうか」という点だった。

スーファミ版を遊んでいた当時、ギルバートは「たたかう」を選んでも全然命中しないし、珍しく命中してもたいしたダメージにならないし、「なんて役に立たないんだ」という印象のまま終わった。

ピクセルリマスター版でギルバートは果たして変化があるのか。

ダムシアンのイベントを経て、王族ギルバートが仲間にした2022年の私から、かつてギルバートをバカにしていた幼いころの私に伝えたい。

「安心してほしい。ギルバートは30年たっても何も変わっていない」と。


でも今なら分かる。

ギルバートの初期レベルが低く、攻撃がさっぱり当たらないのは、彼に戦闘経験がないことを表しているのだと。

ギルバート 戦闘画像

戦う訓練も受けていないであろうダムシアンの王子に、セシルやカインのような軍人、あるいはテラのような偉大な賢者と同じような働きを期待するのが間違っているのだ。

そしてギルバートのよさは、イベントシーンにこそあったのだと、大人になった私はしみじみ感じることになる。

ギルバートのセリフに泣く

ギルバートの代表的なシーンといえば、恋人アンナを失ってシクシクしているところを7歳のリディアに「弱虫!」と叱責され、「そうさ…君の言うとおり僕は弱虫さ!」「もう、何もかもどうでもいいんだ!」と言い放つところだろう。

ギルバートの名言 画像

このギルバートの返しは本当に圧巻だが(こいつが仲間になるのか的な意味で)、改めてこのシーンを見たときはリディアが「お兄ちゃんは男でしょ!大人でしょ!なのに…!あたしだって…。」と言うところにかなりグッときた。

リディアは目の前で母親が倒れ、村が焼かれ、悲しむ間もないまま追われるように故郷を離れるしかなかったわけで、いろいろ我慢してこらえているものがあるのだろうなって。

でもまあそのへんは別にどうでもよくて。

「ギルバートってこんなにいいキャラだったんだ」と私が思ったのは、アントリオンを倒したあとカイポで高熱病に苦しむローザを助けたとき。

ローザが目を覚まして、ダムシアンのクリスタルの次はファブールのクリスタルが狙われているとなって、ローザもファブールに行くと言って、でもローザに無理をさせたくないセシルが君は待ってるんだと言い張ったところでギルバートの一言、

「セシル…ローザは君と一緒にいたいんだよ」

ギルバートのセリフ 画像

このセリフで全私が泣いた。

たぶんローザがはっきりと「私はあなたのそばにいたい」と主張していればセシルは折れたと思う。

でもローザは私の白魔法も戦力になるし、リディアにファイアを使わせなきゃいけないし、と遠回しにしか伝えられなかった。

それはセシルが暗黒騎士の自分に恋愛する資格はないと考えていることを、ローザが分かっているから。

ギルバートはセシルからローザのことを聞いて、ローザがセシルの大切な人であるとすぐに察し、ローザに会ってローザもセシルを大切に思っていると知る。

大切な人と一緒にいられないつらさを、その身をもって味わったギルバートだからこそ、微妙な距離感の2人を前に「ローザは君と一緒にいたいんだよ」という言葉がそっと出てきた。

恋人に会いたくても会えないギルバートにしてみれば、セシルとローザを見て嫉妬にかられても不思議ではないのに。

あと忘れがちだけど、ギルバートはアンナだけでなく両親も失っている。

両親、恋人、家、あらゆるものをなくしたばかりで、初対面のじいさんに襲われ初対面の女の子にののしられ初対面の暗黒騎士に平手打ちされ、慣れない戦闘にかり出され…。

そんな苦境の中でギルバートは、愛する人を失ってはいけないとセシルに協力し、喪失感を抱えながらもセシルとローザを気遣った。

ギルバートはこんなにも繊細でやさしい人物だったのかと気づいたとき、なんだか私は猛烈に感動していた。


そしてその夜ギルバートは、アンナへの思いを募らせながらモンスターに襲われ、アンナの魂に励まされ、勇気を出すとはどういうことなのか悩みながらも前に進み始める。

プレイするとほんの数分のできごとなのだけど、その数分に臆病な青年が喪失を乗り越えて自分にできることをしようと決意する人間ドラマがみっちり詰まっていた。

「うわあ!」

久しぶりにFF4をやって、ギルバートにこうも心を動かされるとは予想外だった。

こうなると彼の「うわあ!」というちょっと情けない叫び声すら愛おしく思える。

ギルバート うわあ! ピクリマ版

まあでも戦闘でのイマイチさはアンナに励まされたあとも変わらなくて、ファブール城の前線で一緒に戦うのはギルバートじゃなくてリディアがよかったと心底思った。

もしかしてあれは、セシルが無意識に自分の頼りにしているほうをローザの護衛につけたってことだったのでは…(邪推)。


FF4 プレイ日記一覧

  1. 「うわあ」芸人ギルバートのセリフに泣いた日
  2. 試練の山でパロムとポロムに全魔法を習得させる
  3. パロムとポロムの例のシーンに感動しなかった
  4. ゾットの塔でカインの心中お察ししてみる
  5. セシルよりHPが高いリディアとバブイルの塔や月へ
  6. カインとエッジの対比構造がおもしろい

その他:実績全解除のための攻略(ストーリー進行順)

>> ファイナルファンタジー 記事一覧


© 1991, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 1991 YOSHITAKA AMANO
「記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。」

Next Post Previous Post