【アラン・ウェイク2】ミスター・ドアは何者か?アンダーソン家やティム・ブレーカーとの関係
『Alan Wake 2』を「最後の草稿」までプレイし終えたので、ゲーム内で明確に語られなかった要素についてまとめた。
今回はミスター・ドアとティム・ブレーカーについて、『Control』や関連作品と照らし合わせながら情報を整理していく。
ゲーム本編、DLC、『Control』を含む関連作品のネタバレあり。
ゲーム内で分かるドアとティム・ブレーカーのこと
まずはミスター・ドアとティム・ブレーカーが『Alan Wake 2』で何をしているのかを整理する。
ミスター・ドア
ミスター・ドアは、闇の世界で放送されている深夜のトーク番組「In Between With Mr. Door」の司会者としてアランの前に姿を現す。
ドアはアランの書いた物語のルールや闇の存在に縛られているのではなく、ドア自身の目的のために一時的に司会者という役割を演じてアランの脱出の手助けをしている。
しかし物語の終盤では、アランが脱出のために無数の扉を開け、他人の人生、特にドアにとって大切な人物を勝手に物語に巻き込んでいることに対して怒りをあらわにし、「次に会う時は状況が違うだろう」と警告して姿を消す。
ティム・ブレーカー
ティム・ブレーカーはブライトフォールズの保安官。
前作でアランを助けたサラ・ブレーカー保安官のいとこにあたり、サラが連邦機関へ移籍したあとに保安官の座を引き継いだ。
(サラの移籍先が字幕ではFBIと書かれていたが、原音は「Feds」なのでFBIとは限らない)
ストーリー序盤の遺体安置所でナイチンゲールが蘇った直後、ティムは突然闇の世界へと引きずり込まれて行方不明になる。
(↑このとき一瞬ドアの姿が画面に映る)
闇の世界でティムは、ループのたびに記憶を失うアランに地図や物資を提供し、アランの脱出をサポートする。
また、ドアの思惑どおり、サーガが闇の世界を脱出するために必要な原稿を必要なタイミングで渡すという重要な役割を果たす。
ふたりの接点
ティムは長年、「失われた時間」を経験したり、「別の現実で別の人生を送っている自分」の夢を繰り返し見ていた。
その夢には常に謎の男が現れており、ティムがその男の似顔絵を作成したところ、サラが1980年代にブライトフォールズで失踪した「ワーリン・ドア」であると特定する。
ティムはドアの正体を突き止めるため、ブライトフォールズに移り住んだ。
闇の世界に囚われたティムは、ホワイトボードに情報をまとめながら、自分が別の人生を歩んでいる夢の正体や、ドアとのつながりを探し続けている。
ティムがサーガに渡した原稿とドアの思惑
ティムがドアによって闇の世界に強制転送させられたのは、コールドロンレイクで見つけた原稿をサーガに渡そうとした瞬間だった。
しばらくして、闇の世界でサーガと再会した際に、ティムはずっと持っていた原稿をようやく渡すことができたわけだが、その裏にはドアの思惑が絡んでいる。
通常、ドアはアランの物語や闇の世界のルールに縛られないが、サーガが闇の世界を脱出するのを助けるために、例外的にアランがドアを物語に書き込むことを許容した。
その原稿「闇の世界に通じるドア」には、ドアが思い描いた場所へ空間を通り抜ける方法が記されており、それを受け取ったサーガは同じ方法で闇の世界を移動できるようになる。
ドアはティムを「気乗りのしない弟子」と表現し、のちに闇の世界へと迷い込んでくるサーガを助けるためにティムを利用したのだった。
ミスター・ドアは何者なのか
『Alan Wake 2』本編でのドアの情報は限られているが、同じRemedy社制作の関連作品を含むレメディー・コネクテッド・ユニバース(RCU)において、ドアはあらゆる平行世界や次元を自由に移動し、同時に存在することができる異次元の存在とされている。
各作品でドアがどのように言及されているか見ていきたい。
アンダーソン家やサーガとの関係
ゲーム内の断片的な情報から、ドアがサーガの行方不明の父親であることが強く示唆されている。
ティム・ブレーカーは、ワーリン・ドアというブライトフォールズの住人が、1980年代にコールドロンレイクの近くで雷に打たれて失踪したと話していた。
この失踪にはアンダーソン兄弟が絡んでいる。
ドアはアンダーソン兄弟と対立し、「アンダーソン家には手を出さない」という取引の担保としてオーディンの右目を奪って姿を消した。
実際、ヴァルハラ老人ホームのオーディンの部屋には、1988年にドアがスレッショルドから闇の世界に消えたことや右目を取られたことが書かれた資料がある。
この件をきっかけにトールの娘でありサーガの母であるフレイヤは家を出て、サーガに父親は死んだと伝えていた。
そして、ヴァルハラ老人ホームのレコードで流れる曲「Anger's Remorse(怒りの悔恨)」には、トールのフレイヤに対する謝罪と後悔の気持ちが歌われている。
また、以下のこともサーガの父親がドアであることを示唆している。
- サーガが精神世界でトールに父親のことを聞いたとき、「Some doors are better left closed」とあえてドアという単語を使っている(字幕は「フタをするべき記憶もある」)
- 「アリスが危険だ」と言うアランにドアが「あんたが引きずり込んだ俺の大切な人も危険だ」と返している
- サーガはアランの物語の改変に耐性を持ち、闇の世界でも正気を保ち、原稿に書かれていたドアと同じ方法で闇の世界を移動した
さらに個人的な意見だが、ドアがサーガの父親だと想定した上で童謡の謎解きを進めていくと、最後に手に入る「お父さんの人形」がドアにしか見えなくなる。
童謡の研究をしていたFBCの研究者がドアの容姿を知っているわけではないので、制作側が意図的にネクタイとメガネのお父さん=ドアの姿に寄せたのではないかと思う。
なお、ウィッチファインダーステーションで流れている詩の冒頭は「我らの英雄を遠方にいる父親は見守っていた。そして彼女に『まぶしすぎる光の中に立つな』と伝えた」だ。
アランはナイトスプリングスの脚本で自身を「光の勇者(Champion of Light)」と書いたことがあり、この詩にいろいろ紐づけると、ドアは光(アラン)に巻き込まれるサーガを気遣っていると解釈することもできる。
『Quantum Break』のマーティン・ハッチと同一人物
様々なメタ的要素から、ドアは2016年発売のRemedyのゲーム『Quantum Break』に登場するマーティン・ハッチの別次元の姿だと言われている。
- Warlin Doorの「Warlin」のWを逆さにし、lに横棒を入れるとMartin Hatchの「Martin」になる
- 「Door(ドア)」と「Hatch(ハッチ=開口部)」は似た意味を持つ言葉
- 当初、ドア役にはハッチを演じたランス・レディックがキャスティングされる予定だったが、彼の急逝により現在の俳優に変更された
ハッチは時空を超えてあらゆる世界に同時に存在する「シフター」という特殊な存在で、次元を自由に行き来するドアと共通点がある。
ハッチがシフターになった起源は、人間時間のはるか昔に洞窟内にできた天然のタイムマシンを見つけたことだった。
一方でドアに関しては、DLC「ナイトスプリングス」の「時空の破壊者(Time Breaker)」に登場する赤毛の女性が「ドアは恐ろしい平行世界への入り口を見つけ、あらゆる現実にアクセスする力を得た。フィードバックループによって他の世界の彼はすべて死んだ」と話している。
画像を見るとドアが平行世界の入り口を見つけたのも洞窟であり、超常的な能力を得た起源が一致している。
『Control』での言及
ドアの初登場は『Alan Wake 2』だが、それより前の『Control』ですでにドアの名前が出てきている。
主人公ジェシーの弟であるディラン・フェイデンが、夢の中でミスター・ドアと名乗る男に出会い、「この世界にはたくさんの世界が存在すると言っていた」と語っている。
ドア自身はすべての世界に同時に存在していて、その間を終わりなく行き来しているという。
ティム・ブレーカーとミスター・ドアの関係
ティム・ブレーカーは、ブライトフォールズの保安官であると同時に、RCUにおける平行世界の謎を体現するキャラクターとなっている。
ここではティムとドアの関係に注目していく。
なぜドアを追うのか
ティム・ブレーカーがドアを追跡している理由は、長年悩まされている不可解な夢と失われた時間の真相を突き止めるためだ。
2010年のアラン・ウェイク失踪事件以降、ティムは「自分が別の世界で別の人生を送っている」という鮮明な夢を繰り返し見るようになり、時には数日間の記憶がすっぽりと抜け落ちることもあった。
その夢の中には常に謎の男が現れており、それが1988年にコールドロンレイク付近で雷に打たれて失踪したワーリン・ドアだと気づいて以降、ブライトフォールズに移り住んで独自の調査を行っていた。
『Quantum Break』からのつながり
ティム・ブレーカーを演じる俳優は、『Quantum Break』の主人公ジャック・ジョイスを演じたショーン・アシュモアだ。
ティムが見ていた夢のひとつは『Quantum Break』の世界での出来事とされている。
また、『Quantum Break』で敵となるマーティン・ハッチはワーリン・ドアと同一人物であるため、ティム・ブレーカーはドア/ハッチによって追われているジャック・ジョイスと別世界の同一人物ということになる。
マルチバースが取り入れられた背景には、『Quantum Break』の開発はRemedyであるものの、IP(知的財産権)はMicrosoftが所有していることにある。
権利上の問題でRemedyは『Quantum Break』のキャラクターを別作品でそのまま使うことができないため、平行世界の人物として名前や設定を変えることで、同じ役者を起用しつつ『Quantum Break』をRCUに組み込んでいるという。
「時空の破壊者」で描かれていること
DLC「ナイトスプリングス」のエピソード「時空の破壊者」の主人公は、俳優ショーン・アシュモア(本人役、かつティム・ブレーカーやジャック・ジョイスの別次元の姿)だ。
ショーンは、ディレクターのサム・レイク(本人役、かつアレックス・ケイシーの別次元の姿)が手掛ける新作ゲーム『Time Breaker』で、マルチバース・エージェントの役を演じていた。
しかし、撮影の合間に楽屋へ戻ると平行世界の自分が死んでおり、ゲームの設定だと思っていたマルチバースが現実であることや、「数多の世界の主」と呼ばれるワーリン・ドアが、別次元のショーンたちを脅威とみなして次々と殺害していることを知り、ショーンはドアを探す旅に出る。
このDLCで、ティム・ブレーカーがRCUのマルチバースを体現するキャラクターであることや、ドアと次元を超えた因縁があることが描かれている。
『Alan Wake 2』のティムのホワイトボードに出てきた「赤い髪の女」もこのDLCに登場するが、彼女も『Control』のジェシー・フェイデンや『Quantum Break』のベス・ワイルダーと同じ俳優が演じている人物であり、別世界の同一人物として描かれている。
なお、「時空の破壊者」の結末や「最後の草稿」でのエンディングから、真の「数多の世界の主」はドアではなくアラン・ウェイクのことであると示唆されている。
おわりに
今回は『Alan Wake 2』におけるミスター・ドアとティム・ブレーカーについて、関連作品の情報を交えながら整理してみた。
ゲーム本編だけでは謎のままだったキャラクターだが、RCU全体で見ると彼らがいかに特殊で重要な存在かが分かる。
アラン・ウェイクの物語は「最後の草稿」でひとまずの区切りを見せたが、ドアとティムの因縁は作品を越えて続いていきそうなので、今後も注目したい。
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