【アラン・ウェイク2】スクラッチの変遷、アランとゼインの関係、アーティの正体について
『Alan Wake 2』を「最後の草稿」までプレイし終えたので、ゲーム内で明確に語られなかった要素についてまとめた。
今回はスクラッチの変遷、アラン・ウェイクとトーマス・ゼインの関係、アーティのことについて、『Control』や関連作品と照らし合わせながら情報を整理していく。
ゲーム本編、DLC、『Control』を含む関連作品のネタバレあり。
スクラッチの設定・正体・各作品での行動
スクラッチの正体は、アランの邪悪なドッペルゲンガーではなく、闇の存在に乗っ取られたアラン・ウェイク自身の姿だ。
その設定は、シリーズによって以下のように変遷していく。
初登場~関連作品でのスクラッチ
1作目『Alan Wake』の結末で、トーマス・ゼインが闇の世界に留まるアランの代わりに、現実世界へ送るドッペルゲンガーとして作り出したのが最初のスクラッチだった。
その後、スピンオフ作品『Alan Wake’s American Nightmare』では、「アランは妻のアリスやコールドロンレイクで行方不明になった人々を殺した殺人鬼だ」というネガティブな噂や陰謀論が現実世界で広まったことで、闇の力がそのイメージを具現化させる。
スクラッチはアランの顔をしたサイコパスの闇の使者(Herald of Darkness)として、現実世界で暴れ回ってアランの大切なものをすべて奪おうとした。
スクラッチの肉体は、2012年のこのときにアランによって破壊されたが、その悪意ある精神は残り続けた。
アリスとの関わり
アリスが暮らすニューヨークのアパートメントに、毎晩のようにアランの顔をした何者かが現れ、アリスを恐怖で苦しめた。
アリスはこの恐ろしい存在を「アランの顔をした怪物」だと考え、2017年にFBC(連邦操作局)に助けを求めた。
しかしFBC訪問後、アリスは失っていた闇の世界での記憶を取り戻す。
アランが自分を助けるためにコールドロンレイクに囚われていること、そしてアリスを毎晩苦しめていたのはスクラッチではなく、闇の世界から連絡を取ろうとしていたアランだったことに気づく。
『Alan Wake 2』でのスクラッチ
『Alan Wake 2』では、スクラッチは現実世界を崩壊させるホラー小説『リターン』を執筆し、アリスを自殺に追い込んだ邪悪な分身として登場した。
しかし、実際はそうではなかった。
闇の存在は、アリスが自殺したと思い込んで絶望したアランの負の感情や、「怒りっぽくて狂気的」という世間のイメージを利用し、アランに憑依した。
その状態がスクラッチだったことがストーリーの終盤で判明する。
スクラッチはアランとは別人のドッペルゲンガーだったのではなく、同一人物だったのだ。
ストーリーのクライマックスで、スクラッチは一時的にアレックス・ケイシーの肉体を乗っ取ってクリッカーを奪うが、アランとサーガが物語の新しい結末を書き上げたことで、再びアランの肉体へと引き戻される。
「最後の草稿」では、サーガがアランの頭に向けて光の弾丸を撃ったことで、アランの中にいた闇の存在/スクラッチだけが完全に浄化され、アランは生き延びてスクラッチは完全に消滅する。
トーマス・ゼインとアラン・ウェイクの関係
シリーズにおける最大の謎のひとつが、トーマス・ゼインとアラン・ウェイクの関係だ。
作中で明確な定義はされていないものの、単なる別々の人物ではなく、互いが互いを創造し合った説や、同一人物の変異体である可能性が示唆されている。
どちらかが創造主なのか?
ふたりは闇の世界の現実を改変する力を通じて、お互いの人生や物語に干渉し合っている。
● ゼイン → アラン
1970年代は詩人だったゼインは、闇の存在を封じ込めるために自分自身と自らの作品を世界から消し去るが、例外として靴箱の中のアイテムだけが残るようにした。
その後、未来の作家アラン・ウェイクが靴箱の中からクリッカーを見つけ、闇の存在を打ち倒すように物語を書いた。
アランが幼少期に母親からもらったクリッカーは、ゼインが残したものだった。
● アラン → ゼイン
2010年に闇の世界に囚われたアランは、脱出のための物語『ディパーチャー』を執筆した際、自分を導く救済者として詩人トーマス・ゼインを物語に書いた。
しかし、のちのゼインはアランと瓜二つの姿をした映画監督として登場する。
詩人としてのゼインの痕跡は、シンシア・ウィーバーや『Control』のジェシー・フェイデンなど一部の人間を除いて、ほとんどの人々の記憶から消え去っている。
これは、コールドロンレイクの力によって、過去の事実そのものが書き換えられたことを意味する。
ゼインが闇の世界から脱出するために自らを映画監督に設定し直したのか、それともアランが脱出のためにゼインという存在を書き換えたのか。
そもそもゼインがアランという人物を物語に書き出して生み出したのか。
明確な答えは提示されていない。
同一人物なのか?
アランとゼインは異なる現実の同一人物だと考えることもできる。
その理由のひとつは、物語の改変が通用しないアンダーソン兄弟やアーティがアランをトムと呼んでいること。
もうひとつは、DLC「ナイトスプリングス」のエピソード「タイム・ブレーカー」で並行世界の話になったとき、複数の現実に「私たちとは違うたくさんの私たち」が存在すると語られている中の1コマに、アラン、ゼイン、スクラッチが並べて描かれていたこと。
このコマは別のコマに重ねられてすぐに見えなくなってしまうが、サム・レイク、アレックス・ケイシー、マックス・ペインが並ぶコマと同じ表現がされている。
サム・レイク、アレックス・ケイシー、マックス・ペインは異なる現実の同一人物だ。
スクラッチとアランが同一人物なのは前述のとおりなので、アランとゼインも同一人物と見なすことも可能だ。
ゼインとアランが存在したのは同じ世界では? という疑問はあるが、アランが生まれたのは1977年で、バーバラ・ジャガーがコールドロンレイクで溺死してゼインが闇の世界に消えたのが1970年なので、現実世界でふたりが同時に存在していた時期はない。
アーティは何者なのか
現実世界と闇の世界の両方に現れ、サーガとアランを導く謎の清掃員アーティは、『Control』においても主人公を助ける重要な役割を担っている。
各作品におけるアーティの立ち位置や正体をまとめていく。
『Control』におけるアーティ
アーティが初めて登場したのは『Control』だ。
FBC(連邦操作局)の本部であるオールデスト・ハウスに、いつの間にか住み着いていた謎の管理人となっている。
FBCからは「生命体A-001」という公式指定を受けて監視されているが、その正体を知る局員はいない。
アーティは制限区域にも自由に立ち入りができ、FBCを裏で操る超常的存在「ボード」でも手出しができない存在とされている。
FBCの新局長となったジェシー・フェイデンを助手と呼び、施設の冷却ポンプの再起動などストーリー進行上の重要な任務を任せる。
終盤では、アーティがジェシーに渡したオールド・ゴッズ・オブ・アースガルズのカセットテープが重要アイテムとなり、ヒスの侵略から施設を救うことに貢献する。
『Alan Wake 2』におけるアーティ
『Control』のDLC「変貌世界の出来事」で手に入る絵ハガキで、アーティは休暇を取ってウォータリーへ訪れることを予告している。
その予告どおり、『Alan Wake 2』でアーティはウォータリーやブライトフォールズで登場すると同時に、異次元である闇の世界にも姿を現す。
闇の世界に囚われたアランや、現実世界で事件を追うサーガの前に現れ、ふたりを正しく導き手助けする。
また、アンダーソン兄弟やトーマス・ゼインのことをよく知っているそぶりを見せ、アランのことを一貫してトムと呼んでいる。
フィンランド神話の「水の神」
アーティという名前は、フィンランド神話に登場する「海と水の神(Ahti)」に由来している。
『Alan Wake 2』でアーティがフィンランド移民の町ウォータリー(水)に滞在し、スオミホールでフィンランド語の歌『Yötön Yö(白夜)』を歌っているのは、アーティ自身のルーツと神性を示唆している。
また、アンダーソン兄弟(北欧神話の最高神オーディンと雷神トール)がアーティと旧知の仲であり、互いに対等な友人のように接しているのも、彼らが同じ神話の神々というメタ的なつながりを持つ存在だからだと解釈されている。
アランの原稿による現実改変の影響を受けないことも、アーティとアンダーソン兄弟の共通点だ。
参考にしたもの
