【アラン・ウェイク2】本編ストーリーと最後の草稿のおさらい・解説
『Alan Wake 2』のニューゲーム+にあたる「最後の草稿」をクリアしたので、改めて全体のストーリーをまとめた。
ゲーム本編およびDLC、前作、関連作品すべてのネタバレあり。
前作のあらすじとコールドロンレイクの設定
まずは物語の発端となる13年前の出来事と、コールドロンレイクの持つルールをおさらいする。
前作『Alan Wake』のおさらい
重度のスランプに陥っていたベストセラー作家のアラン・ウェイクは、静養のために妻のアリスと共にワシントン州の田舎町ブライトフォールズを訪れた。
しかし、町に隣接する巨大なカルデラ湖コールドロンレイクに潜む超常的な力、闇の存在によって、アリスが湖の底へと引きずり込まれてしまう。
アランはアリスを救うため、無意識のうちに書き上げていたホラー小説『ディパーチャー』の原稿に従い、闇に取り憑かれた住人たちを相手に光を武器にして戦うことになる。
最終的にアランは、書いたことが現実になる原稿の結末を書き換えることで、アリスを助けることに成功した。
しかし、物語のバランスを守るための代償として、アランはコールドロンレイクに飛び込み、アリスの代わりに闇の世界に囚われることになる。
闇の世界での13年間とFBCの影
『ALAN WAKE 2』までの13年間、アランは湖の底で何をしていたのか?
前作のDLC「シグナル」「小説家」やスピンオフ『American Nightmare』では、アラン自身の狂気やドッペルゲンガーであるミスター・スクラッチと戦いながら、現実へ戻るための原稿を何度も書き直していたことが描かれる。
さらに、同じ世界観を共有する『Control』のDLC「変貌世界の出来事」では、アランの書いた原稿が超常現象を専門に扱う連邦操作局(FBC)に影響を与えていたことが判明する。
アランが現実への干渉を少しずつ試み、2023年のブライトフォールズで起こる出来事への布石を長年打ち続けていたことが示唆されている。
コールドロンレイクと闇の存在
なぜアランは現実を書き換えたり予言したりすることができるのか。
それはコールドロンレイクという土地が持つ特殊な力が影響している。
● 芸術作品を現実に変える力
コールドロンレイクにある闇の世界には、その場で作られた芸術作品(小説、詩、音楽、絵画など)を現実に投影し、改変する力がある。
過去には詩人トーマス・ゼインや、ロックバンドのオールド・ゴッズ・オブ・アースガルズがこの力に触れ、現実に影響を与えたことがある。
● 闇の存在の目的
闇の存在それ自体には、現実世界を自由に書き換えることができない。
そのため、才能のある芸術家を湖に誘い込み、その作品を利用して闇の存在が現実世界へ解き放たれる物語を作らせようとしている。
● 絶対的なドラマの法則
コールドロンレイクの力を使っても、無から有を生み出す魔法や、すべてが解決する都合の良いハッピーエンドを書くことはできない。
現実を改変するには、既存の現実を素材にしつつ、物語として論理的で説得力のある展開に仕上げる必要がある。
アランが闇の存在に書かされていたのはホラー小説であるため、主人公には相応の試練や苦痛、そして等価の代償(犠牲)が求められる。
13年前にアランが自己犠牲によってアリスを救うという結末を選んだのは、それが物語の辻褄を合わせ、闇の存在の完全復活を防ぎつつアリスを現実に帰す唯一の手段だったからだ。
ストーリーおさらい
本作の最大の特徴は、現実世界で事件を追うサーガ・アンダーソンと、闇の世界で脱出を試みるアラン・ウェイクの2人の視点を切り替えながら進む点にある。
複雑に絡み合うそれぞれの状況と、2つの世界がどう結びついて結末へ向かったのかを整理する。
サーガ編:2023年の現実世界
舞台は前作から13年後、2023年のワシントン州ブライトフォールズ。
FBIのサーガ・アンダーソンは、相棒のアレックス・ケイシーと共にカルト教団「樹木の教団」が絡む猟奇殺人事件の捜査に訪れる。
しかし捜査中、アラン・ウェイクがタイプライターで打ったと思われる小説の原稿ページを発見し、そこに書かれた内容が現実の出来事として次々と起こり始める異常事態に直面する。
現実と闇の世界が交わる境界域に踏み込んだサーガは、13年間行方不明になっていたアランと遭遇し、アランから「ミスター・スクラッチが『リターン』というホラー小説を書いて現実を悪夢に変えようとしている」と警告される。
物語の改変を止めるため、現実を決定づける力を持つアイテム「クリッカー」を探して各地の境界域を奔走し、クリッカーを手に入れる。
しかしサーガは、現実世界に脱出してきたアランが、すでにミスター・スクラッチに乗っ取られた状態だったことに気づく。
アラン編:闇の世界での13年間
アランはトーク番組のスタジオを出発点として、悪夢のニューヨークを彷徨いながら何度もループを繰り返していた。
アランは自身が生み出した架空の探偵アレックス・ケイシーの幻影からインスピレーションを得て、『イニシエーション』という新たな物語を書きながら街の風景(現実)を書き換え、アリスを救うため、かつての自宅であるパーラメント・タワーを目指して進んでいく。
その途中、アランと瓜二つの映画監督トーマス・ゼインと出会い、「『リターン』の原稿こそが脱出の鍵だ」と告げられる。
ループの末、アランはついに自宅の執筆部屋に辿り着くが、そこにはすでに完成した『リターン』の原稿があった。
ミスター・スクラッチがアランの原稿をホラー小説に書き換え、現実世界のブライトフォールズを崩壊させようとしていた。
2つの物語の交差
サーガとアランの物語は、アランの書いた原稿がサーガの娘ローガンの運命を書き換えたことで結びつく。
ローガンを救うため、サーガは連邦操作局(FBC)と協力し、オールド・ゴッズ・オブ・アースガルズの音楽とクリッカーの力を使って、本物のアランを闇の世界から引きずり出す作戦を決行する。
召喚に応じたのはスクラッチに乗っ取られたアランだったが、サーガはFBCの機材による強烈な光で、スクラッチ(闇の存在)をアランの体から追い出すことに成功する。
アランは闇の存在から解放されたものの、現実世界にはホラー小説の凄惨な結末が目前に迫っていた。
闇の世界に落ちたサーガは、精神世界を通じて本物のアランと交信し、ふたりは「ヒーローが代償を払う」というホラーの絶対法則を満たしつつ、守りたい人たちを救うための新たなエンディングを書き上げる。
サーガはクリッカーを使ってその新しいエンディングを現実にする。
アランは自らを犠牲にして闇の存在を封じ込める器となり、サーガがアランの頭を撃ち抜くことで、物語は幕を閉じる。
エンディング解説
本作には、1周目クリア時の通常エンディングのほか、クリア後に開放される「最後の草稿」に真のエンディングが用意されている。
ふたつのエンディングの違いを見ていく。
通常エンディング(1周目)
サーガに撃たれたアランは、再び闇の世界の執筆部屋で目を覚ます。
彼はこれが「ループ」ではなく、徐々に出口へと向かっている「螺旋(スパイラル)」であることに気づく。
ポストクレジットでは、現実世界で命を絶ったと思われていたアリスの映像が流れる。
アリスは死んだのではなく、自殺を偽装して闇の世界に戻り、アランを正しい方向へ導くためにサポートしていたことが明らかになる。
真エンディング(最後の草稿)
アランやローガンの生死が曖昧なまま終わった通常エンディングと違い、「最後の草稿」のエンディングでは結末が明瞭になっている。
サーガがかけた電話には、原稿では死んだことになっていたローガンが応答し、現実が無事に修復されたことが証明される。
家族を救うというサーガの目的は果たされた。
光の弾丸に撃ち抜かれたアランは死ぬことなく、アランの中に巣食う闇の存在/スクラッチだけが完全に浄化・破壊される。
そして、光と闇の理を完全に理解して正気を取り戻したアランは、自身が「数多の世界の主」になったことを示唆する。
アランが13年間繰り返してきた脱出の試みは、同じ失敗の繰り返し(ループ)ではなく、少しずつ出口へと上昇していく螺旋になっていた。
1周目のエンディングも失敗ではなく、アランが真の脱出へと至るための螺旋の一段であり、2周目に「最後の草稿」をプレイすることでプレイヤーがアランと一緒に螺旋構造を体験できるような作りになっている。
「最後の草稿」での主な追加要素
ニューゲーム+にあたる「最後の草稿」では、真エンディングに到達する過程で本編にいくつか変化が起きている。
主な追加要素は以下の通り。
● アランの一部モノローグの変化
冒頭やエンディングのアランのモノローグが変化しており、ループではなく螺旋であることをアランがかすかに悟っているような描写が追加されている。
また、パーラメントタワーのエレベーターでアリスの撮った写真を見つけたアランが「アリスの存在を感じる」と言い、アリスの助けがアランの脱出に寄与していることがほのめかされている。
● 新しい原稿ページの追加
1周目には存在しなかった新しい原稿がいくつか追加されている。
● 新しい映像の追加
アラン編ではいくつかテレビ映像が追加されている。
その中には、『Control』に登場した、FBC研究主任で行方不明になっていたキャスパー・ダーリング博士の映像がある。
ダーリング博士も闇の世界におり、トーマス・ゼインと接触していることが示唆される。
● 闇の世界でアンダーソン兄弟と話せる
「リターン9」の闇の世界でトールとオーディンと会える。
「最初の時はいなかったからな」とループを認識している発言をしたり、サーガが闇の世界を出るための出口はアーティが用意してくれているといった話を聞けたりする。
